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「大正製薬の広告炎上?」怒る人は本当に多いのか 企業はネットでの批判に翻弄されるべきではない

東洋経済オンライン / 2024年7月5日 18時40分

広告の炎上で、ジェンダーに関するものは非常に多い。

「日本初の炎上CM」と言えるのかどうかわからないが、大きく批判をされて取り下げにまで至ったケースとして1975年のハウス食品「シャンメンしょうゆ味」のテレビCMが有名だ。

これは「私作る人、僕食べる人」という、まさに性役割分担の固定が問題になったケースだ。ただし、この表現は消費者が問題にしたわけではなく、婦人団体から抗議を受けて問題化したものだ。このCMは約2カ月で放送中止になったが、当時としては先進的な判断だと見なされた。

その後も、ジェンダー関連、性役割分担関連の広告に対してさまざまな問題が起きているが、すべて取り下げに至っているわけではない。

今回のリポDの広告と類似したケースとしては、2017年にユニ・チャームのおむつブランド「ムーニー」の動画について巻き起こった議論がある。

本動画は、育児をする母親への応援の動画であったが、父親が少ししか映らず、母親が育児に苦労するシーンが描かれていたことから、「ワンオペ育児を賛美するもの」として批判を浴びた。

このときも、SNSでは賛否両論が起きたが、話題量は今回のリポビタンDの比ではなく、本案件について、X上で数万件の投稿があり、2ちゃんねる(現在は5ちゃんねる)には複数のスレッドが立ち、多くのネットメディアで取り上げられた。ここまで行くと「炎上」と言っていいレベルだ。

しかしながら、この動画は取り下げられなかった。取り下げないことで批判を浴び続けたかといえば、そうではなく、しばらくして話題は沈静化した。

取り下げないで炎上するケース、しないケース

「炎上したら取り下げる」というケースが多いのだが、「取り下げない」という選択ももちろんある。「ムーニー」の動画を取り下げなかったことが適切な判断だったのかどうかというのは議論が分かれるところだろうが、少なくとも取り下げないことが問題視されはしなかったようだ。

同じジェンダー関連で問題になった動画で、すぐに取り下げなかったことで批判が続いた事例もある。ムーニーの動画と同じ2017年にYouTubeなどで公開された、宮城県のPR動画である。

タレントの壇蜜さんを起用したこの動画。同県の観光PRキャラクター・むすび丸が壇蜜さんに「宮城、イッ・ちゃ・う?」と耳元で囁かれて鼻血を出したり、壇蜜さんに「上、乗ってもいいですか?」と頭を撫でられた亀がムクムクと大きくなったり……。「性的過ぎる」という批判が起きたのだ。

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