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湯島の「まるでガウディなマンション」圧巻の内部 気になる間取りは?立地とも関係する外観

東洋経済オンライン / 2024年7月6日 8時20分

コンクリートだがやわらかさを感じるこの壁面は、建材として使えない病気で変形したスギの材が使われている。不揃いな材を型枠として並べ、コンクリートを流し、取り外すと壁面ができあがる。

「丸太の木の皮の部分を残して使うことで、細かい凸凹やザラザラの質感を表現することができました。壁にランダムな光と影ができて、飽きずに眺められます」

中庭で過ごした筆者は、壁面の陰影をじっと見つめていた。これは焚き火のゆらぐ炎や水面を見て癒やされる時間に似ていて、いくらでも見ていられる。だがもし壁全体がツルッとした質感であったら、息が詰まって落ち着かないだろう。

また中庭の植栽も風景に影響を与えている。薄暗いなかでも植物が茂り、コンクリートの隙間から元気に顔を出す。空中廊下から垂れ下がり、風で揺れる。植物は自然に生えてきたような存在感があり、建物が生きているように感じられる。

間取りも、見える景色も異なる天神町place。

単身から2人同居、家族までさまざまな暮らし方ができ、住居以外に、半仕事場や事務所としての活用もあるという。

昼と夜の景色はがらりと異なる

建物の中にいると、空中廊下を歩く足音が不意に聞こえ、中庭で過ごす人の姿がふと目に入り、なんとなく人の存在を感じる。しかし中庭の共用のスペースでは「住人同士で交流しましょう」などと建物から強制されることはなく、なんとも心地がいい。

「下の階も中腹の階も、頂上の8階にもそれぞれ魅力があります。私は場所ごとの魅力を引き出して設計するのが仕事です。思い思いに家を楽しみ、暮らしてもらうのが理想です」

自分なりの心地よさを追求して自由に暮らせる場所。少しずつ入居が始まるなかで中庭が一望できる小さなバルコニーにベンチを出して、小さな音で音楽を流しながら過ごす住人の姿も見られたという。

大木の中にいるような囲まれた感覚と、光や風が通る開放感があふれる天神町place。ほの暗さと、光や風、緑の変化を体感できる中庭は、住人のかけがえのない居場所となりそうだ。

人が暮らし始めた湯島の住宅は、これからどのような変化があるのだろうか。異国の路地やヨーロッパの静かな教会、ガウディが設計したカサ・ミラ住宅のように、不思議で独特な空気が醸成されていくことだろう。

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鈴木 ゆう子:ライター

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