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紫式部にベタ惚れ「藤原宣孝」結婚して冷めた情熱 夫はモテモテ、紫式部は苦悩を抱くように…

東洋経済オンライン / 2024年7月7日 12時0分

式部は「忘るるは うき世のつねと 思ふにも 身をやるかたの なきぞわびぬる」という和歌も残している。詞書には「久しくおとつれぬ人を思ひ出でたるをり」とあるから、宣孝に向けてのものだろう。意味としては、次のようなものになる。

「人のことを忘れてしまうということ。それは、憂き世の常のことだと思うけれども、忘れ去られたほうは身のやり場がなく、どうすればよいのかわからず、切ない思いで泣いてしまうのが、侘しいことだ」

「他人もまた同じ悲しみに悩んでいると思えば、心の傷はいやされなくても、気は楽になる」といったのは、劇作家のシェイクスピアだ。

時代を超えた普遍的な感情

会いたい人に会えない。そんな誰もが一度は抱えるであろう苦しみに、式部のこの和歌は優しく寄り添ってくれている。そこに込められた思いは、時代を超えた、普遍的な感情だといえよう。

【参考文献】
山本利達校注『新潮日本古典集成〈新装版〉 紫式部日記 紫式部集』(新潮社)
倉本一宏編『現代語訳 小右記』(吉川弘文館)
今井源衛『紫式部』(吉川弘文館)
倉本一宏『紫式部と藤原道長』(講談社現代新書)
関幸彦『藤原道長と紫式部 「貴族道」と「女房」の平安王朝』 (朝日新書)
繁田信一『殴り合う貴族たち』(柏書房)
真山知幸『偉人名言迷言事典』(笠間書院)

真山 知幸:著述家

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