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富裕層がこぞって買う「5000万円級SUV」の最新作 ロールス・ロイス「カリナン」がシリーズⅡへ

東洋経済オンライン / 2024年7月8日 7時0分

一方、カリナンは「自分でハンドルを握る人が98%」(サーディ氏)だそうだ。まあ、2020年に登場した「ゴースト」や、先に触れたスペクターなど、どちらも操縦性の高さが印象的だったから、下地はでき上がっていたのかもしれない。

カリナン、それもシリーズⅡは、そこにあって先述のとおり、内装を含めて飛び抜けて若々しい世界観を持ったモデルだ。非常に高価なため、“若い人向け”と言ってもスニーカーやアクセサリーと同列に語ることはできないが、それでもここに新しさがあるのはたしかなようだ。

イビサでの試乗会では、まず標準モデル、次によりハイパワーの「ブラックバッジ」に乗った。

標準モデルでも12気筒エンジンは最高出力420kW、最大トルク850Nmと、かなりのハイパワーを発揮する。車重は2.5トンほどあるが、アクセルペダルを軽く踏み込んだだけで、すいーっと驚くほどスムーズに加速していく。

ロールス・ロイスは、加減速やハンドリングを含めて、あらゆる操作において「エフォートレス」を標榜する。ニュアンスとしては、“超ナチュラル”とでも言えばいいだろうか。余計な力はいらないし、電気でできることには、ほとんど人の力を使わないという徹底ぶりだ。

乗ってみれば、たしかにエフォートレスなのだけれど、路面からのフィードバックはハンドルを握る手に伝わってくるし、操舵すると車体の反応は予想以上に速い。冒頭で触れた2018年の試乗会のときより、東京で乗った最新型のほうが、ダイレクト感が増しているように感じていたが、シリーズⅡはさらに良い印象になったと思う。

ブラックバッジは、運転が好きな人のカリナンだ。最高出力は441kWに上がり、最大トルクも900Nmとさらに力強い。走り出してすぐに感じるのは、足まわり(ダンピング)がよりしっかりしているのと、ハンドルを切ったときの操舵力が重めだということ。

初めてカリナンに乗るなら、ブラックバッジのほうが違和感は少ないだろう。でも、標準モデルの軽い操作感は、キュラクターが立っていて、慣れるとクセになりそうだ。別の言い方をすると、“慣れようと努力すること”も、きっと運転好きな人なら楽しめるはず。

ブラックバッジでは、エクステリアのスピリット・オブ・エクスタシーとパンテオングリルをブラック仕上げにできるのも、特徴だ。

加えて内装では、ブラックバッジのインフィニティ・シンボルがダッシュボードやシート地に刺繍されたり、ダッシュボードの一部をテクニカル・カーボンなる炭素樹脂使用に仕上げたりすることも可能だ。

真の醍醐味はおよそ5000万円~

日本での価格は、標準のカリナン・シリーズⅡが4645万4040円、ブラックバッジ・カリナン・シリーズⅡが5415万4040万円(ともに税込み)。

もちろん、ともにこれがスタート価格で、ロールス・ロイスの新車をオーダーする人は、ここからさらに豊富なオプションを追加して、自分好みの仕様に仕立てる。オリジナルの1台をオーダーすることの、ロールス・ロイスの醍醐味なのだ。

【写真】カジュアルもチョイ悪も「カリナン・シリーズⅡ」の内外装一例

小川 フミオ:モータージャーナリスト

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