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中央アジア「ATMと米ドル」使えない国・使わない国 日が暮れてからトラブると途方に暮れまくる

東洋経済オンライン / 2024年7月8日 17時0分

イランのお金を手にするには、米ドルを両替えしなければならないのだ(ユーロも使えるけど)。あれだけアメリカと仲が悪いのに、解せない懐事情である。

なんにしろ、ボクらのドライブコース「ウズベキスタン→トルクメニスタン→イラン」は、米ドルが命綱なのである!

大切なポイントなので繰り返すと、米ドルがないと旅ができないのである。

という非常に重要な情報は、準備不足を自慢するような“知らぬが仏”派なもので、まったく知らなかった。キルギスあたりでようやく、

「このあと、ATMが使えない国があるらしいから、できるだけ米ドルを下ろしといたほうがいいかも」

Yukoが言ったけれど、なぜかピンっとこなかった仏である。

首都ビシュケクでは、米ドルを下ろせるATMは1台しかなく、それが高級ホテルにあるので着ていく服がなくて尻込みし、ほとんど米ドルを下ろさなかった。

ウズベキスタンの首都タシケントでも“米ドルATM”は1台だけ。1回に100ドルしか下せないから、闇両替えしては生活費に消えた。出かけるのが面倒くさくて、米ドル貯金はあまり増えなかった。けど、鼻毛が1本増えたほどにも気にしていなかった。

ATMがお休みでピンチ

タシケントを出て1週間ほど地方をまわったとき、

「明日トルクメニスタンに入るんだけど、日本の銀行カードが使えるATMはないって」

ひとつも?

「ひとつも!」

ってことは米ドルを両替えするしかないではないか! って、前日にしてようやく仏の琴線がピンピンしたのである。

いま、米ドルっていくらあるの?

「1500ドルくらい」

日本円で十数万円かあ、その金額でトルクメニスタンとイランの2カ国をまわると、どこかで破産しちゃうよね。明日、朝一番で銀行をまわろう!

と言った翌朝、ATMが休んでいた。通りかかった人が、土曜日は休みだよ、と言った。

機械なのに休むのか!って驚いていたら、9時、オフィスは普通に開いた。

機械が休んで人は土曜出勤とはよくわからない労働体系だけどそれはいいとして、さっそく窓口におもむき、日本のカードで米ドルをくださいってお願いした。

「できません!」

窓口の若い女性に、きっぱりと断られた。気持ちがいいくらい交渉の余地はなかった。自慢のなで肩をさらになだらかにして、精一杯うなだれて駐車場へ戻った。

ああ、どうしよう……、うずくまる。こういうピンチのとき、人は性格がでるものである。ボクは潔くスパっと諦めて、問題を先送りにする未来志向だ。一方Yukoは、

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