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「神宮外苑再開発」伊藤忠の声明の納得感の正体 どちらの意見が、理論とファクトからの主張か

東洋経済オンライン / 2024年7月8日 18時30分

私たち第三者の立場からしても重要視したいのは、理論とファクトだ。どちら側の意見が感情論ではなく、理論とファクトから主張されているかを吟味したい(写真:i-flower/PIXTA)

3日、伊藤忠商事が「神宮外苑再開発」について声明を発表。施設の一部に落書き被害を受けたことに触れるとともに、プロジェクトの真意を説明しました。

大きな反響を集めたこの声明。筆者は「大事なのは『どちら側の意見が感情論ではなく、理論とファクトから主張されているか』だ」と指摘します。

人生の醍醐味は自分を見失うことだ、と私は思う。

【画像】「静かに激怒している」と話題になった、伊藤忠によるリリース

ただ、あまりに自分の信条を盲信すると、醍醐味ではあるものの迷惑になってしまうかもしれない。そんなことを感じたのは、伊藤忠商事のプレスリリースを読んだためだ。

明治神宮外苑の再開発計画を巡る論争

同社は「神宮外苑再開発について」と冠したプレスリリースを出した。そこで、昨今に話題になっている外苑問題について述べた。把握する限り、同社への同情が多い。

まず、関係者には怒られてしまうかもしれないが、強引に外苑問題をまとめる。これは、明治神宮外苑の再開発計画を巡る論争だ。この計画には、長寿命の並木の伐採が含まれる。反対者は歴史的景観の破壊や環境への悪影響を懸念している。イチョウ並木の保存と保全を求める声があり、再開発計画の見直しや代替案の検討が反対者側から求められている。

さまざまな考えがあるだろうが、個人的には民間事業者から買い取るなどしない以上は、行政が対処するのは難しいと感じる。

そうした前提のうえで、ここで考えたいのは、企業と、その行動に影響を与えようとする団体や個人との付き合い方だ。

【画像5枚】「一部の活動家による落書きが…」。静かな怒りを感じさせる、伊藤忠による実際のリリース

まず伊藤忠商事は先にあげたプレスリリースで次を述べた。

・子供向け施設を含む4か所に対し、環境問題に取り組む一部の活動家による落書きがなされた

・株主総会で話題になるのは自明だったため、質疑応答に先立ち十分な時間を割いて丁寧な説明をしたが、質疑応答に入ると、環境活動家が進行を無視して長々と持論を展開した

・「再開発」という言葉が誤解を与えるが継続的な樹木の管理、倒木や古くなった樹木の植え替えがどうしても必要

・「みどりを守る」には当然のことながら大変多くの資金が必要

理路整然とした説明だ。議論は前向きでなければならない。反対する方は、同社の説明がどのように間違っているかを、理論的にそしてファクトとして説明したほうが支援を得られるだろう。

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