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最高値を更新した日本株の上昇は今後も続く ただし短期では強弱感対立による激しい攻防も

東洋経済オンライン / 2024年7月8日 10時30分

小売企業などが堅調で、7月下旬に本格化する製造業の4~6月期決算に期待が高まってきた。日本株に弱気になる必要はなさそうだ(写真:Ryuji/PIXTA)

日経平均株価とTOPIX(東証株価指数)が7月4日にそろって史上最高値を更新した。

前者は3カ月余のモミ合いを経て、後者は34年半ぶりと時間軸は違うものの、日本株の「ダブル更新」は大きな意味を持つ。

TOPIXの最高値更新が持つ大きな意味

日本株は「いよいよ本格的なデフレ脱却相場が到来する」「その際は銀行株を中心としたバリュー株が物色の中心となる」と言われてきた。だが、実際は、アメリカのエヌビディアに誘発された半導体株の急騰が日本株、とりわけ日経平均の「高値の正体」だった。

しかしTOPIXの最高値更新は、ハイテク株だけにとどまらないという点で、今回の相場のスケールの大きさを表している。サマーラリーを期待している筆者としては、まずまずの展開となって来たと思っている。

日本銀行の資金循環統計(2024年第1四半期)によると、家計の資産残高のうち「証券」は、2023年9月末の402兆円が2024年3月末には461兆円と半年で59兆円増えている。この「再投資パワー」は非常に大きい。

また、現在は小売業など非製造業銘柄の第1四半期(3~5月期)発表がたけなわだが、インバウンド以外に円安効果のないこれらの企業の決算は意外に健闘していると言ってもよく、今月下旬以降本格化する製造業中心の4~6月期決算の上方修正期待が高まっている。これが今回の高値抜けの代表的理由だろう。

また、日立製作所やNECなどの日本の基幹産業の株価上昇で、世界の機関投資家の日本への見方はさらに高まった。

そして、「もしトラ」から「確トラ」に変わりつつあるアメリカ大統領選挙予想で、三菱重工業の急騰劇に見られるように、日本の防衛産業への見方も大きく変わっている。防衛省は防衛産業から撤退する企業が相次いでいたため、従来8%にとどまっていた防衛装備品の企業側の営業利益率を最高15%に引き上げた。これらも史上最高値更新の原動力だ。 

現状の日本株はやや過熱気味?

一方、欧州では英国で政権が交代、フランスでも政局不安に見舞われている。5日の英国FTSE100指数は5月15日の史上最高値から2.87%安の位置におり、急落とまではいかないが、フランスのCAC40指数は同6.85%安となっている。またドイツのDAX指数は同2.09%安で、日米に比べると気迷いが見られる。この動きは日本株にとって悪いことではない。

前回の「日経平均は『下落圧力』に負けてしまうのか」(6月24日配信)では、結局資金はアメリカへの一極集中となるのではないかという話をしたが、当然、その一部は日本へも流れて来る。兜町ではロンドンにあるオイルマネーが日本株を買っていると見る筋もある。

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