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任天堂復活のカギは「カルチャー」の変化にあり? 「縦割り構造」が会社にもたらす根深い問題

東洋経済オンライン / 2024年7月9日 11時0分

会社を1つの船と捉えれば、個人間、チーム間、セクション間の情報共有は、目標達成という目的地へと安全に航海していくために必要不可欠です。他のチームが体験していることが、自分のチームに役立つこともあるでしょう。

まさに本書の中でも述べられているように、他の地域(チームやセクション)から学び、成功につながったアイデアは取り入れる一方、同じ失敗は避ける。セクショナリズム的な縦割り構造に邪魔されない、全社的な情報共有あってこそ、それが可能になるのです。

すべてのコミュニケーションをオープンにすることに抵抗を感じる人もいるかもしれません。しかし、そもそも会社とは仕事をする場所、全員で知恵や力を出し合って組織の目標を達成していく場所です。

ならば、「プロジェクトの相談」から「今日、ランチ一緒に行かない?」「ちょっと休憩室で一息入れてきます」といった連絡まで、できる限り情報はオープンになっていたほうがいい。周囲に知られないようダイレクトメッセージでやり取りせねばならない局面なんて、同じ組織内では基本的にないはずではないでしょうか。

このようにクローズドなコミュニケーションをなくし、すべてオープンにすることで、徹底した情報の透明化と共有を図っているのです。そして、こうしたオープンネスによって情報の格差や閉鎖性のない状態を作ることが、ポストや社歴などによらず誰もが自由にものを言えるフラットな組織づくりにつながります。

たとえば「ちょっと休憩室で一息入れてきます」という先輩のメッセージを読んだ後輩が、「私もご一緒していいですか?」なんてレスを送り、休憩室で自由な議論が起こることもあるかもしれない。まさしく「オープン&フラット」を体現する行動指針がカルチャーとして根付いていき、その結果として、闊達なコミュニケーションによるセレンディピティ、さらには生産性や価値の向上が見込めると僕は考えています。

企業カルチャーを見直すべきタイミングとは

企業の強さの根源はカルチャーにありますが、いったん根付いて一定の効力を発揮してきたカルチャーに固執すると、かえって企業の成長を妨げることになりかねません。体型が変化すると今までピッタリだった洋服が合わなくなるように、今まで根付いてきたカルチャーがフィットしなくなることもあるはずです。

つまり企業のカルチャーは恒久的なものではなく、適時、見直すべきもの。では目指すべきタイミングはいつかといったら、「目指すものが変わったとき」でしょう。

極端な比喩かもしれませんが、いってみれば、今まで草野球で結果を出していた人が一念発起してメジャーリーグを目指すとなれば、当然、やるべきことは大きく変わってくる。同様に、組織の目指すものが変わったら、それを叶えるにふさわしいバリューや行動指針を新たなカルチャーとして根付かせていく必要があるのです。

(構成:福島結実子)

池見 幸浩:grooves(グルーヴス)代表取締役

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