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わが子に「ウザい」「消えろ」と言われた親たちへ 「子どもによる暴言」親が知らない思春期の子の"本質"

東洋経済オンライン / 2024年7月9日 10時0分

親の感情的な反応は、思春期が終わって普通ならまた以前のような親子関係に戻れるような時期になっても、子どもの気持ちが元に戻らないことも…(写真:horiphoto/PIXTA)

「ウザい。消えろ」など思春期、反抗期の子の暴言……。親としては頭にきますよね。まったく平気という人はいないと思います。つい頭にきて「いいかげんにしろ!」と叫ぶなど、感情的な反応をしてしまうこともあるかもしれません。

でも、その気持ちは本当によくわかるのですが、それでも親御さんたちに伝えたいのは、そうした反応が完全に逆効果になるということです。

火に油を注ぐことで暴言の応酬になり、子どもはますます反抗的になります。家の中の雰囲気が最悪な状態になり、親子ともどもストレスがマックスに達します。

親は「存在否定」「人格否定」してしまいがち

さらに一番気をつけなければならないのは、怒りのあまり言ってはいけない存在否定や人格否定の言葉を子どもにぶつけてしまうことです。

存在否定とは「お前なんかいなければよかった」「生まなければよかった」など、その子の存在そのものを否定する言葉です。人格否定とは「お前は卑怯だ」「本当にずるい」「口ばっかりだ」「うそつき」「情けないやつ」など、その子の人格を丸ごと否定する言葉です。

こういう言葉は深く子どもの心を傷つけ、親に対する不信感につながります。そうなると、思春期が終わって普通ならまた以前のような親子関係に戻れるような時期になっても、子どもの気持ちが元に戻らないことがあります。

このようなことにならないために、私は思春期の子どもが暴言を吐く背景を親がしっかり理解しておくことが大事だと思います。理解すれば怒りが少しは和らぐのではないでしょうか?

怒り(イカリ)の反対は理解(リカイ)です。暴言の背景にあるのは、ひと言でいうと思春期特有の体と心の不安定さです。具体的には次のようなことです。

●増加する性ホルモンが扁桃体を刺激して感情が爆発

第2次性徴である思春期には性ホルモンがたくさん作られます。その性ホルモンが扁桃体を刺激します。扁桃体は感情をつかさどっているので、性ホルモンが増えることで感情が爆発しやすくなります。それがイライラや暴言を引き起こします。

●体の急激な変化で自分のトリセツがわからない

思春期には今までにない速さで自分の体が変化し、そのことに戸惑いを感じます。同時に性への関心が高まることも気持ちの不安定さにつながります。とにかく自分のトリセツがわからず、自分でも持て余している状態です。

●前頭前野の未発達でキレやすくなる

京都大学の森口准教授によると、12才~15才(中学生)の頃は小学生の頃より欲求をコントロールする力が一時的に下がりキレやすくなるそうです。というのも、中学生は小学生よりさまざまな欲求が増えるのに、欲求を抑えるブレーキの前頭前野がまだ十分に成長していないからです。

高校・大学と成長するに連れてバランスが取れるように

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