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わが子に「ウザい」「消えろ」と言われた親たちへ 「子どもによる暴言」親が知らない思春期の子の"本質"

東洋経済オンライン / 2024年7月9日 10時0分

小学生はブレーキも未発達ですが、アクセルもまだそれほど強くありません。それでうまくバランスが取れていて、それほどキレないのです。

その後、高校・大学と成長するに連れて前頭前野が成長するので、またバランスが取れるようになっていきます。

●自我の確立という大きなテーマに挑んでいる

思春期の子は精神的にも自我の確立という大きなテーマに挑んでいます。例えば、「自分は何者なのか?どう生きるべきか?」などと悩んでいたりします。自分の土台を確立するための葛藤でありこれも不安定の要因です。

●権威的な存在への反発

「親や先生は本当に正しいのか?言うこととやっていることが違うのではないか?」など権威的な存在への疑いや反発も感じています。また「世の中はこれでいいのか?間違っているんじゃないか?」などの疑いも持ち始めています。それもまた不安定さにつながります。

●友達関係での気づかいや悩み

思春期の子は親や先生などの権威に反抗して自我を確立する時期ですが、それは簡単なチャレンジではなく不安に満ちたものです。そこで、一緒にチャレンジしてくれる同士としての友達の存在が重要になってきます。

その結果、友達とよい関係を築くことに非常に気をつかうようになります。つねに友達との関係で自分の立ち位置や振る舞いに気を配り、自分がどう思われているか、孤立していないかなど、必要以上に心配しています。これもまた大きなストレスです。

●学力や将来への不安

勉強がどんどん難しくなり、学年が上がれば上がるほど学力差が大きくなるので、勉強について焦りを感じる子も増えていきます。学力は進路の決定にも影響してきますので、同時に将来への不安も感じるようになります。気にしてないように見えても実は気にしているのです。

●多忙ですり減っている

思春期の子たちは本当に忙しいです。学校、部活動、委員会、塾、習い事、リアルとオンライン両方での友達との交流など気が休まるときがありません。家に帰っても宿題やら何やらで追いまくられます。以上のようなことが反抗期の子の暴言の背景にあります。つまり、仕方がない面があるのです。このことをしっかり理解しておきましょう。

まずは深呼吸をしてその場から離れる

もちろん、それでもイラッとすることはあると思います。そういうときの私のお勧めは、深呼吸とその場から離れることです。

とりあえず胸いっぱいに息を吸って、できるだけゆっくり吐き出しましょう。1回やるだけでかなり違います。また、イライラしながらその場にいると結局子どもにぶつけてしまいますので、その場から離れるようにしましょう。

この他にもいろいろな方法があると思います。アンガーマネジメントで検索して自分がやりやすい手法をいくつか身につけておくことをお勧めします。

とにかく、できるだけ家を子どもにとって居心地のよい場所にしてあげてください。そうすれば、子どもは外でイヤなことや大変なことがあっても家に帰ってきてくれます。そして、家でリラックスして充電することができます。

家が居心地が悪くて居場所がない場合、家に帰ってくるのがイヤになります。そして、居場所を外に求めるようになってしまいます。これは大変危険なことです。

反抗期の子への具体的な対応方法については、こちらの過去記事もご参考にしてください。
反抗期の子を絶望させる「親たちの最悪な対応」
難しい時期を乗り越えるための「心得6か条」

親野 智可等:教育評論家

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