「認知症」で銀行口座凍結!やれば安心の準備は? 「後見人制度」もあるけど、デメリットも多い
東洋経済オンライン / 2024年7月9日 9時30分
しかし、「成年後見制度」にはデメリットもあることで知られています。
【成年後見制度のデメリット】
●財産管理に厳しい制限がある
●いったん開始したら、原則としてやめられない
●費用がかかる(後見人や後見監督人への報酬)
では、成年後見制度のほかに、何か方法はないのでしょうか?
制約も多い後見制度の代わりに、近年注目を集めているのが「家族信託」です。
家族信託は、保有する預貯金や不動産などの資産を信頼できる人に託して、信託財産として管理や処分を行ってもらう財産管理の方法です。
下図のように、財産の管理をする人と利用する人を分けられるのが家族信託の特長です。この特長を生かして、判断力が十分なうちに財産の管理を任せられる人に委ねてしまうのが、家族信託を活用した認知症対策の基本的な考え方です。
事前に財産を管理する人(受託者)に財産を移転するので、仮に本人(委託者)の判断力が低下してしまっても、財産管理には支障ありません。
成年後見制度のような制限がないため、資産運用や相続対策を意識した資産の移転など、柔軟な財産管理が可能です。
事業を営んでいる場合、自社株を信託財産にすることによって事業承継に活用する方法もあります。
家族以外にも委託でき「子どものいない人」も利用可能
家族信託は多くの場合家族間で行われますが、家族以外の人に財産管理を託すこともできます。
子どものいない人などのケースで、受託者の使い込みなどが心配なら、士業などの専門家に信託監督人を依頼して受託者をチェックしてもらうこともできます。
認知症対策としても、ある意味遺言代わりとしても使える家族信託は、非常に使い勝手のいい制度です。
老後準備を考えるうえで検討する価値は十分にあるといえるでしょう。
松尾 拓也:行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
<老後の不安に関する調査>7割超が、老後の財産管理について家族や親族と「話し合ったことがない」と回答。「介護」をめぐる家族間トラブルを懸念する声も
PR TIMES / 2024年7月30日 10時0分
-
「介護費用を出す余裕なんて、うちにはない」…認知症の兆しがある82歳母の今後に、50代・3兄弟が出した“全員納得の結論”【FPが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月29日 10時15分
-
「暗証番号さえ知っていれば」は甘い…「認知症」の親の口座が凍結される前に、やっておくべき〈事前手続き〉【FPが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月26日 11時45分
-
残業+パワハラでうつ病→障害年金月7万円で暮らす59歳・独身男性の絶望…同居する年金月13万円・88歳母の“異変”に思わず「もう、なにも考えられない」【FPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月23日 11時15分
-
35歳無職の娘……定年後、娘を養いながら老後を暮らしていけるか心配です。退職金・年金・妻のパート代で、家族3人暮らしていけますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月16日 13時20分
ランキング
-
1「助けてェ…」新幹線&山手線“運休の可能性”に悲鳴 台風接近でJR東日本「行程変更して」
乗りものニュース / 2024年8月14日 16時42分
-
2「スタバと市場を分け合う可能性もある」快進撃を続けるコメダ珈琲店の優れたビジネスモデルと"不思議な力"
プレジデントオンライン / 2024年8月14日 8時15分
-
3若い世代も意外と利用! 金利上昇で再び魅力が高まる「定期預金」
Finasee / 2024年8月14日 19時0分
-
4こんな職場で働いてはいけない…「机の上にあるゴミ」が、10人中8人が辞表を出す大騒動に発展したワケ
プレジデントオンライン / 2024年8月14日 8時15分
-
5ネット証券5社の牙城を崩すPayPay証券の破壊力 破竹の勢いで口座数伸びるが収益力で課題残す
東洋経済オンライン / 2024年8月14日 8時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください