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家を買うなら「谷・丘・山・台」つく地名は要注意だ 「地価暴落・空き家増・店舗閉鎖…」リスクあり?

東洋経済オンライン / 2024年7月10日 12時0分

ちなみに「尻こすり坂通り」とは、かつては荷車が後部をこするほどの急坂であったことから名づけられたという。

坂の走破が好きな「坂バカ」の自転車愛好家にとっては何よりの「心臓やぶりの坂」が縦横無尽に走るのがここ、横須賀市のハイランドだ。地獄坂という坂もある。

「湘南ハイランド」と呼ばれるこのエリアは、神奈川県横須賀市の南部に位置する。

大阪の繊維会社だった山万が東京進出後に手がけた宅地開発事業の第1弾で、そのノウハウは千葉県佐倉市のユーカリが丘に引き継がれた。

山林を切り開いて造成されたハイランドは、広大な丘陵の「ニュー」タウンで、半世紀前に住民たちによる命名で「ハイランド」が住居表示の地名となった。

天気のよい日には東に房総半島、西に相模湾や富士山を眺望する「急坂」の住宅街。

日本初のカタカナの町名ハイランド。当時は富士山や東京湾を眺望し、テニスコートやプールもある憧れの街だった。

人が集まり、人が高みに上るのはタワマンだけではない。

バブル時代までは、このハイランドのように、郊外の山林が開発され、眼下を見渡せる眺望が人気となっていた。

人口は1万人を割ったが、人口減少や不動産相場の下落はそれほどでもないところを見ると、1区画200㎡超で分譲されたバブル時代の「高級感」が、まだ残っているのかもしれない。

眺めのよい坂の町も、高齢者にはキツい

バブル時代に開発されたこの分譲地も、いまは住民の多くが高齢者となっている。

夕刻、京急久里浜駅から通勤客を乗せたバスが急な坂を上り、ところどころのバス停で住人を下ろす。

退職した高齢者や犬の散歩、買い物客には厳しい坂で、マイカーが欠かせない。

全国の坂の街にはよく石段がある。歩行者が急斜面を移動するには格好の手段で、眺めもよい。

前述のハイランドにも、中高年にとっては自分の年齢の数を超えるような段数の急角度の石段があるが、ペットや足の不自由な高齢者にはキツい坂だ。

ハイランドの他にも、首都圏エリアで、遠距離通勤、高齢化、人口減少に悩む坂の街といえば、埼玉県の坂戸市に近い鳩山町がある。このあたりは駅名も坂戸、北坂戸、高坂と続く、まさに坂の町だ。

東京都の多摩エリアで「すごい坂!」と驚かされ、空き家増や高齢化が進んでいるのは八王子市南部の京王本線沿線だろう。駅でいえば北野駅周辺で、北野台、片倉台など坂を連想させる地名や駅前もある。

また、横須賀に近い逗子市、三浦市も同様だ。

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