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RIZAPがSOMPOと提携、どうするチョコザップ SOMPOが300億円出資、「中核子会社」も持分化

東洋経済オンライン / 2024年7月10日 8時0分

2018年に商品開発の検討などで業務提携していた2社が資本提携にまで踏み込んだ。当時の発表資料にある業務提携調印式と同様に、奥村社長(左)と瀬戸社長が握手した(撮影:尾形文繁)

どちらが多くの実利を得るのか――。

【図表で見る】中核子会社以外も赤字体質、このままで大丈夫?

RIZAPグループ(ライザップ)とSOMPOホールディングス(SOMPO)は7月1日、資本業務提携に関する共同会見を開いた。SOMPOがライザップに300億円を出資し4.87%の株を持つという提携の内容を2社が語ったのは、6月7日の発表後初めてとなる。

今回の提携で要となる存在が、ライザップの廉価ジム「chocoZAP(チョコザップ)」だ。チョコザップは全国約1500店舗のリアル接点と、アプリやヘルスウォッチなどを通じた約120万人の会員とのデジタル接点を持つ。

チョコザップを損保や生保、介護などSOMPOの各種サービス利用者の健康増進の場とする。そして、それ以上に期待されているのが運動データの集積地としての役割だ。病気の予防や事故の防止につながるサービスの開発にデータを用いる。

目指すのは「『万が一のときの保険』から、『病気にならない、健康になるような保険』」(SOMPOの奥村幹夫社長)だ。

経営の安定性を得たライザップ

SOMPOにとって300億円は中規模の出資額になるという。ROI(投資利益率)は8%を見込む。投資効果には、健康寿命が延びることで保険契約者が減らないという中長期的な狙いもあるため、投資回収時期は明言しなかった。

一方のライザップに視点を移すと、提携によって得たものは即効性があるうえに大きい。それは経営の安定性だ。

2022年7月から展開したチョコザップは、「一般常識から外れているスピード」(瀬戸健社長)での大量出店により、話題をかっさらったが、資金面の裏打ちに欠けていた。「ジム会員数で日本一達成」など華々しい発表を行う傍ら、経営陣は資金繰りに奔走していたのが実情だ。

瀬戸社長は昨年8月以降、自身の資産管理会社から計100億円を劣後ローンでライザップに融資した。今年3月には自身が保有する株を売却、その資金で新株予約権を行使しライザップの資本を100億円増強する算段を立てた。ところが株の売却が不発に終わり、22億円しか資本を増強できなかった。

そのような中でのSOMPOによる出資は、まさに干天の慈雨。300億円のうち200億円は、チョコザップなどを運営する中核子会社に直接出資される。中核子会社はSOMPOが株式を23%保有する持分法適用会社となる。

この結果、銀行における信用格付けは大きく改善したという。「信用の裏づけと資金の裏づけがダブルで行われたことで、借り入れ時の金利負担が大幅に減っている」(瀬戸社長)。

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