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トルクメニスタン「地獄の門」軽自動車で訪ね挫折 地獄を見るなら夜、と「道なき道」を行くも闇

東洋経済オンライン / 2024年7月11日 17時30分

「うちの車、砂に弱いんだけど、地獄の門のあたりってどんなですかね?」 と訊いてみた。

「普通の車じゃ無理だ。砂に埋まって動けなくなるぞ」

「あんたの車ってあれか? あれじゃあ、絶対に埋まる」

「このあたりじゃ、俺のJeepだけだな、あそこに近づけるの」

「悪いこと言わねーから、俺のJeepに乗ってけ。安くしてやっから」。やっぱり砂が深いのか。

日本の閻魔様には、地獄で砂に埋まったから納品できませんでした、と言っても理解してもらえるとは思えないから、オヤジのJeepに乗ることにしよう。

ご自慢のJeepは、一度もスタックすることなくがんがんと土漠を突き抜けた。

「地獄」の名に恥じない観光地

トルクメニスタン観光のハイライト「地獄の門」は、真っ平らな大地に、唐突にぽっかりと口を開けていた。

恐ろしい。

これは本当に恐ろしい。

こんな大きな穴が看板も柵もなく、結界のカケラもなく空いているなんて、単なる落とし穴じゃないか。昨夜、もし火が消えていたら、間違いなく落ちていた。

文字通り地獄行き。その名に恥じない観光地である。

しかし思うに、確かに火は燃えていたけれど期待したほどに萌えなかったのは、柔らかな朝の日差しがかかっているからに違いない。

業火は、天国の絹のように穏やかに揺れていた。

こんなにもほっこりと優しい気持ちになったのでは、血も湧かないし肉も躍らない。痛くも痒くも臭くもない。まるでシズル感がないではないか。

看板はないにしても、看板に偽りありである。

と言いたくなければ、これから行く人はぜひ夜を目指してほしい。轍をたどると着くと思う(う○こを踏むかもしれんけど)。

そしてもし茶屋でJeepを見かけたら、伝えてほしい。その車、トヨタのカムリだよって。

石澤 義裕

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