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「成功には忍耐力が必要」と信じる起業家の盲点 うまくいかないことを繰り返していないか?

東洋経済オンライン / 2024年7月11日 11時20分

うまくいかないことに固執して、忍耐力を間違った方向に向けていないでしょうか(写真:kai/PIXTA)

残念ながら、あなたのアイデアや商品が、ユーザーから受け入れなかったとしよう。その現実を前にして、あなたならどうするだろうか。「売れるまで売り続ける」と固執して、忍耐力を発揮しようとしていないだろうか?

1990年代末にオンラインCDショップ「CDベイビー」を立ち上げて大成功を収めた起業家であり、TED動画「社会運動はどうやって起こすか」のプレゼンターとしても有名になったミュージシャン、デレク・シヴァーズは、それは忍耐力の間違った使い方だと指摘する。

彼が11日間で一気に書き上げたという著書『エニシング・ユー・ウォント:すぐれたビジネスはシンプルに表せる』から、忍耐力の正しい使い方を紹介しよう。

「人とは違う方法で何かをしている変わり者」

CDベイビーを始めて5年後、ビジネスが絶好調だったとき、メディアは僕が音楽ビジネスに革命を起こしたと騒ぎ立てた。

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でも「革命」というのは、成功したときに初めて使われる言葉だ。成功するまでは、「人とは違う方法で何かをしている変わり者」と見られるだけ。

また革命というと、声高に何かを主張したり、拳を振り上げたり、血を流したりするような荒々しいイメージを思い浮かべるかもしれない。

だけど、たとえば「本物の愛とは、『ロミオとジュリエット』みたいな劇的なものだ」と思っていると、ゆっくりと時間をかけて育まれていくすばらしい人間関係を見落としてしまう。

同じように「人生の目的は、ある日とつぜん、稲妻に打たれるみたいに降りてくる」と思っていたなら、日々心を惹かれている、自分にとって大切な、小さなことを見落としてしまう。

「革命は戦争のようなものであるべきだ」と考えていると、ただ誰かにより良いサービスを提供しようとすることの重要性を忘れてしまう。

すばらしいことをしようとしているときは、革命を起こしているようには感じられないものだ。むしろそれは、常識にとらわれずに何かに挑戦している感覚に近い。

CDベイビーが成功したことで、僕は生まれて初めて、「みんなが本当に欲しがるもの」をつくった。

そこに至るまでの12年間、僕は様々なプロジェクトを成功させようとがんばり、ありとあらゆるマーケティング手法を試した。

必死になって人脈をつくり、プレゼンし、売り込みをした。

風向きが変わるというのは、どんな感じか

でも、それは常に向かい風を受けているような苦しい戦いだった。鍵がかけられた扉や、目の前でバタンと閉められた扉をなんとかこじ開けようとしているような感じだ。

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