1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

70歳を越えたら実践すべき5つの「お金の作法」 シニアにとって大切なのは「足るを知る」の境地

東洋経済オンライン / 2024年7月11日 17時0分

ただ、動画配信サービスだけは子どもたちが登録してくれたサブスクのおかげで、私のタブレットや夫のパソコンでも懐かしの映画や海外ドラマを楽しめています。

家計簿をつけるのは「時間の無駄遣い」

私にとって面倒なことの代表が、お金に関するあれこれ。夫と有限会社をつくってから、大の苦手なのにもかかわらず経理の仕事をやっていた日々から、ようやく解放されました。

ふたりとも70過ぎた時点で畳もうと思っていた小さな会社は、はじめのほうで触れたように娘夫婦が引き継いでくれました。

苦手とはいえ「これは経費でこっちは個人の支出」というのを、少々どんぶり勘定ながら長年、表計算ソフトでやっていた関係で「引き継ぎも面倒だから、そのうちねー」と言っていた矢先の入院&手術。

決算の時期は待ってくれないので急遽、娘夫婦に任せて、私は「経理のおばちゃん」をやめることになりました。それくらいの経理は、若い人からしたらすぐにコツをつかめるレベルなので、任せちゃってよかったです。

そして何てラクなの? 信じられないくらいの解放感! 本当に好きじゃないのにやってたんだなぁ。

で、その経理作業の個人支出に関する部分が、いわゆる「家計簿」だったわけですけど、その作業ももうやめました。

お得意のどんぶり勘定で、月にどのくらいの現金を下ろせばオッケーとか、季節による水道光熱費などの推移も分かっているから、もう細々つける必要なし!

実際、ほとんど物欲もないから、一応頭の隅にあるのは月々の食費くらいかなぁ。それも、外食をほとんどしないので「これ、おいしい。外で食べたらかなりの値段だよね」と会話する老夫婦にとって、支出の詳細を記す「家計簿」をつける手間の方が「時間の無駄遣い」という気がします。

家計簿なくても帳尻合わせられるのが、シニアの経験値と自負してます。

今さら投資で「一喜一憂」するよりも大切なこと

70過ぎてからは、すべての「おすすめ投資」をやめました。

金融関係の人の「預金のままにしておくのはもったいないですよ」と言ったそばから「そろそろ相続税対策をしないと心配ですよ」が同じ口から出ることに、正直戸惑う私。

「もったいない」にも「心配」にも心は揺れるけれど、もし投資して儲かったとして、今度は節税のためにまた色々お金を動かすなんて、私にとっては意味が分かんない。「増やせ、減らせのどっちなの?」

ほぼ自営に近い小さな会社で自分たちの腕だけでコツコツ働いてきたシニア夫婦に、もう今さらの「おすすめ投資」は必要ないです。それより、まだお付き合いが続いている人との「長年の仕事」を、無理なく楽しんでやって、それに見合った画料や原稿料をいただければ至極幸せ。

今さらの「おすすめ投資」をするより、今後も仕事だけでなくプライベートでもそれなりに「必要とされる自分でいるための投資」、例えば、食事内容の充実や読書で脳の活性化、散歩や体操で動ける体作りなどを大事にしたい。

金融関係のあれこれ「上がった、下がった」をゲームのように楽しめる余裕ある投資に強いシニアなら別ですが、もし今までそんなに経験がないなら、今さら投資で「一喜一憂」しなくてもいいんじゃないかな。

それより「足るを知る」の境地になれば、もっと深く豊かなシニアライフを送れる気がする今日この頃でございます。

中山 庸子:エッセイスト、イラストレーター

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください