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子どもの「やばい」「えぐい」の多用で失われるもの 「言い換える力」強化のため親にできることとは

東洋経済オンライン / 2024年7月12日 16時30分

また、愉快なもの、魔法もの、冒険ものなど、子どもたちに人気のある作品、子ども時代にしか楽しめない作品もぜひ読んでほしい。小学生向けの本は小学生を楽しませるように書かれています。そういう作品を通じて、ワクワク体験をさせてあげてほしいと思います。

一方で本が好きな子どもには、少し背伸びをさせてみる、やや難しいものにチャレンジさせてみるのもいいですね。自分が読みたい本だけではなく、先生や大人が「これはおもしろいよ」と紹介してくれるものを読んでみるのも、子どもの世界を広げます。

私は今でも、学生に勧められた本はできるだけ読むようにしています。自分の興味の範囲では出会えなかった作品にふれられるのは、楽しいものです。

親はまったく本を読まないのに、子どもに本を読めというのもおかしな話なので、ぜひご家族で図書館や書店に行くことをお勧めします。

私が子どものころ、わが家は日曜日に家族それぞれ好きな本を1冊買うことになっていました。家族で本を買いに行くのは楽しかったし、今でも懐かしい思い出です。

文豪の語彙力が自然に身につく音読の効用

子どもの語彙力を高めるためには、音読も効果的です。夏目漱石や芥川龍之介など、品格のある文章をぜひ音読してみてください。

たとえば、小学生に夏目漱石の『坊っちゃん』を繰り返し音読してもらうと、漱石の語彙が子どもたちの中にグングン入っていくのがわかります。

「はなはだおもしろい」「すこぶるよかった」なんていう言葉が、音読するだけで身についていく。漱石の語彙力は普通の人の10倍20倍、もしかしたら100倍ぐらいあるわけです。

普段の会話では身につかないその語彙力を音読で取り入れる。そうすると実際に使ってみたくなる。

感情面でも論理の面でも、大人顔負けの表現ができるようになってくるかもしれませんね。

齋藤 孝:明治大学教授

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