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資金調達する?しない?迷う時に役立つ判断基準 「事業を小さくしたい」と言う起業家の真意

東洋経済オンライン / 2024年7月12日 10時0分

「事業を大きくしたくはないのですか?」と聞かれて迷ったことはないでしょうか?(写真:zon/PIXTA)

投資家からの投資オファーを受けるかどうか、事業を拡大するかどうかで、迷ったことはないだろうか。

1990年代末にオンラインCDショップ「CDベイビー」を立ち上げて大成功を収めた起業家であるデレク・シヴァーズは、迷ったときは顧客第一で判断するべきだと述べる。

TED動画「社会運動はどうやって起こすか」のプレゼンターとしても一躍有名になったデレク・シヴァーズが11日間で一気に書き上げたという著書『エニシング・ユー・ウォント:すぐれたビジネスはシンプルに表せる』から、その真意を紹介しよう。

やたらと資金調達できた時代

投資家からの出資を受けなかったことは、僕にとって大きな利点になった。

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CDベイビーを始めて1年後、ドットコムブームが巻き起こった。

少しばかりの熱意と漠然としたプランさえあれば、どんな起業家でも、投資家から何百万ドルもの出資を得ることができた。

ばかげた時代だった。

知り合いの起業家たちは、投資家から何度も資金調達できたことや、高度な機能を持つデータベースサーバーのことを話していた。

20人もいる開発チームのこと、ビリヤード台もある一等地のしゃれたオフィスのこと、毎週開かれる昇進パーティーのことなどを嬉しそうに話してくれた。

けれども、具体的にどんなビジネスをしているのかと尋ねても、彼らははっきりとは説明できなかった。

彼らは、LOI(基本合意書)、ROI(投資収益率)、NDA(秘密保持契約)、IPO(新規株式公開)といったビジネスの専門用語を頻繁に口にしていた。

でも、それらは、本当に誰かの役に立とうとすることとは直接は関係のないものだった。

僕は、自分の会社に出資しようとする投資家がいなくて本当によかったと思っている。

顧客と自分以外の誰かを喜ばせる必要がなかったのだから。僕はすべての努力を顧客のためだけに注ぎ込めた。

毎週のように電話が来るようになる

やがてCDベイビーにも、毎週のように、投資会社から投資のオファーをする電話がかかってくるようになった。僕はいつも、「結構です」と即答した。

「事業を大きくしたくはないのですか?」と尋ねられた。

僕は「いいえ、もっと小さくしたいんです。大きくしたくはありません」と答えた。

そう伝えると、毎回、そこで会話は終わった。

無駄遣いできるお金がなければ、無駄遣いはしないものだ。

僕にはプログラマーを雇うお金がなかった。だから本屋に行って、PHPとMy SQLに関する本を25ドルで買い、それを読みながら独学でコードの書き方を覚えた。

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