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石丸伸二的な話し方「石丸構文」堂々使う人の末路 本当に「論理思考力が高い人」ならどうするか

東洋経済オンライン / 2024年7月12日 8時0分

「石丸構文」とまでは言わなくても、前後の文脈を考えず、言葉尻をとらえて発言をする若者は増えているように思う。

私の考えでは、その理由は2つある。

まず「上意下達の概念がかなり薄れている」こと。今の若い世代は大半が「先生と生徒」「先輩と後輩」といった上下関係が緩い学生時代を過ごしており、若い人に強く言えない上司が増えているのを尻目に、ズケズケものを申してくる。

もう1つの理由が、「それってあなたの感想ですよね?」に代表される「論破王」ひろゆき氏らの影響が大きいこと。

事実と意見を切り分けよ、というのはロジカルシンキングの基本的な考えなので、忖度だらけの世の中に、ひろゆき氏らの小気味よい理屈が刺さっているのは間違いない。肩書なんかより知識や理論で勝てる、と思える時代となったのだ。

実際に目にした部長の苦笑いシーン

実際、ある会社で、24歳の社員が部長に対して

「先ほど目的と言っていましたが、本来は目標ですよね? 言い間違いですか? それともわざと目的と目標を使い分けたんですか?」

と臆することなく突っ込みを入れている光景を目にした。私の隣にいた部長は苦笑いをして、

「確かに、目的と目標を同じ意味で使っていたと思う。今回のケースは目的という意味だった」

と釈明していた。

私が驚いていると、その部長は

「誰に向かって口きいてんだ、って言いたいですが、そんなこと言ったら若い子は辞めちゃうでしょ?」

と耳打ちをしてきた。「若者に強く言うと辞めてしまうかもしれない」と思い込んでいる上司たちは、かっこうの標的として論破されてしまう。

「私は、依頼されたことをやればいいと受け止めて確認もしました」

「なので依頼されたこと以外はやっていません。それでいいですよね?」

「依頼はしてないけど、やるべき作業はあるってどういうことですか?」

このように、相手の曖昧な口調を狙い撃ちしてマウントをとろうとする部下たち。もう少し空気を読んだり、忖度することも組織人として必要なのではないか、と思えたりする。

真に「論理思考力が高い」人は柔軟性がある

結論から書くと、「石丸構文」のような質問や発言をしていると、本人のためにならない。なぜなら論理思考力が高まらないからだ。

本当に論理思考力が高い人は「柔軟性」がある。将棋のプロで考えたらいい。目先の「歩」が欲しいからといって、自分の駒を動かしていいわけがない。一手、二手先を読んで駒を動かさなければ勝てない。

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