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ソフトバンク元副社長が自戒「老害三原則」の中身 人間には持って生まれた「残念な特質」がある

東洋経済オンライン / 2024年7月14日 17時0分

これらの「老害」の多くは、外から見ていると極めてわかり易いので、排除することも簡単なように思えるのですが、日本の企業の多くでは、こういう傾向の顕著な人たちが結構権力の座に居座っているケースが多いので、そう簡単には排除できないようです。

そして、それ以上に問題なのは、人間には持って生まれた残念な特質があるということです。

一言で言えば「悪慣習を温存する力学」と言っても良いもので、具体的には、「どんなにひどい被害を受けた者でも、一旦自分自身が加害者の立場になると、なぜか被害者への同情はすっかり失われてしまい、加害者のメリットをフルに享受しようとする傾向がある」ということです。

学校の運動部などの閉鎖社会の中でしばしば行われる「新入部員に対するシゴキ」などがその典型ですが、このような悪癖は代々受け継がれる傾向にあります。

「老害」の実態を反面教師にする

この問題を抜本的に解消するためには、企業の場合は、組織構造や人事制度を抜本的に変える必要がありますが、それについて論じるのは趣旨を違えるので、ここではそれには深入りしないことにします。

むしろ、「世の中に満ち溢れている『老害』の実態は、反面教師として有難い存在」と受け止め、そこから「高齢者のあるべき姿」を模索していきたいと思います。

わかり易い反面教師がいるということは、自分がそうならないために、極めて有利な環境だと言えるからです。

新しい環境の中に飛び込んで、その中で「周囲の多くの人たちに好意を持ってもらうためにはどうすればよいか」を考えるのは、実際にはなかなか大変ですが、「ああはなりたくないな」とか「ああなってはいけないんだよな」というイメージが、もし自分の頭の中にあらかじめ存在していれば、それは極めて有効な第一歩になります。

その意味で、私の「老害三原則」は、何らかの役に立つかもしれません。

成功体験の罠

私の「老害三原則」の第二項目は「成功体験へのこだわり」ですが、これは結構深刻な問題です。これは、前項で述べた、一部の選ばれた「偉い人」だけにあてはまるものではなく、ごく平凡に仕事人生を生きてきた普通の人たちにも当てはまるものです。

平均的な大多数は、「オレ、自慢じゃあないけど、『偉い人』になんかなったことはないよ」と心の中で思い、前項に書かれていることに対しては冷ややかな思いを持たれたかもしれませんが、こちらの方は万人に深く考えて頂かなければならないことです。

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