現代自動車副社長が明かす「EVシフト」日韓の差 足元減速「日本は芳しくない」でも将来に自信
東洋経済オンライン / 2024年7月15日 8時50分
韓国の現代(ヒョンデ)自動車グループ(Hyundai、KIA、Genesisブランド)の2023年の世界販売台数は730万で、トヨタ自動車、フォルクスワーゲンに次ぐ世界3位の自動車メーカーだ。2030年までにEV(電気自動車)を年間200万台販売する目標を掲げ、電動化戦略を加速させている。
日本市場では2009年に撤退したものの、2022年2月に再参入し、現在はEV「IONIQ(アイオニック)5」と「KONA(コナ)」、FCV(燃料電池車)「NEXO(ネッソ)」をオンラインで販売している。現代自動車で日韓事業を統括するジョン・ユソク副社長に、日本再参入の手応えと日韓のEVシフトについて聞いた(個別取材と会見を基に構成)。
――2024年の韓国自動車市場の見通しは。
【グラフで見る韓国の自動車市場】販売台数は年間150~200万台、EV普及は日本より進むが足元は減速している
世界共通の問題として、物価高による可処分所得の減少が起きている。そういった状況なので、2024年の韓国の自動車需要は前年比で5%ほど減少すると予測している。
世界の主要国では、EVの販売が芳しくない局面に来ている。韓国は充電スタンドなどEVインフラが構築されており、政府による購入補助金などもある。その点は他国よりも非常に進んでいるが、韓国でもEVの販売台数が減少すると考えている。
韓国のEVの受け入れ体制は整っている
――日米などと比較して、韓国のEV普及は進んでいるのでしょうか。
EVにおいて韓国が比較できる国はヨーロッパ諸国だろう。ヨーロッパと比較すると、韓国は大きく3つの点で、EVの受け入れ体制が整っている。EVインフラの整備状況、バッテリーなどのEV関連技術、それから消費者の認識だ。
ヨーロッパの主要国では補助金が削減されている。国によっては補助金が全廃されるような状況にもなっている。一方で韓国は、政府、それから自治体レベルでもさまざまな支援と補助金があり、インフラの拡充も持続的に行われている。なので、現段階ではEV需要が若干伸び悩んでいるものの、将来的にはEVがかなり拡大していくと考えている。
――日本はガソリン車やHV(ハイブリッド車)が人気なこともあり、EVの普及率は低いままです。日本でのEV普及はどういったペースで進むと見ていますか。
EVシフトがどれくらい早く訪れるのか、遅く訪れるのかというのを語るより、顧客の属性、性格を見るべきだと思う。日本の消費者にとってEVは特に馴染みが薄いものだと思うし、私たちがアプローチをするのも容易ではない。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
EV大国中国の試練...販売減速と欧米規制の中で「生き残りのカギ」とは?
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月16日 13時40分
-
2024年上期の輸入車販売7%減、EVは17%増で存在感じわり[新聞ウォッチ]
レスポンス / 2024年7月12日 9時2分
-
欧米の保護主義とEVシフト...中国排除のジレンマ
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月4日 13時30分
-
中国EVにひっくり返される? 日本車大国タイとの「固い絆」を日本が失う意味
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月3日 17時31分
-
中国市場を失いつつある日韓の自動車メーカーがインドに参入も、課題多く―中国メディア
Record China / 2024年6月19日 8時0分
ランキング
-
1「これは奇跡...」破格の1人前"550円"寿司ランチ。もうこれ毎日通いたい美味しさ...。《編集部レポ》
東京バーゲンマニア / 2024年7月16日 7時2分
-
2ドラマ「西園寺さん」ヒットの予感しかない3理由 「逃げ恥」「家政夫ナギサさん」に続く良作となるか
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 20時0分
-
3月々のスマホ代を「高いと感じる」…「2000円もすることに驚いた」「安いプランなのに高い」格安プランに乗り換える?
まいどなニュース / 2024年7月16日 19時45分
-
4実は「ポイ捨て」しまくっていたキャベツの栄養 科学で解明「芯はおいしくない」と思うなかれ
東洋経済オンライン / 2024年7月15日 15時0分
-
5夏本番となり職場や電車内などで発生する「ニオイ問題」 揉めるぐらいなら我慢したほうがいいのか、解決策は「ない」という現実
NEWSポストセブン / 2024年7月16日 16時15分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください