株価がここにきて大きく上昇している背景事情 東証市場改革は日本企業を変える大きなキッカケ
東洋経済オンライン / 2024年7月15日 7時0分
東証1部企業を用いて算出されていたTOPIXですが、新しい市場区分ではルールが変更となりました。新ルールは①東証1部に代わりプライム市場に上場した銘柄が追加されるようになりました。ただし②すでにTOPIXに入っていた昔の東証1部銘柄のうち、プライム市場以外(スタンダード市場など)の区分に移行した銘柄は除外されず、そのまま組み入れられました。現在は、プライム上場企業でも、時価総額が一定以上に満たない銘柄は徐々に組み入れから外されています。
公表されたTOPIXの新しい改革案
そして、今年の6月に東証からTOPIXの新しい改革案が公表されました。TOPIXに組み入れる新たな銘柄をプライム市場から選ぶのではなく、プライム、スタンダードとグロースの3つの市場に上場している銘柄のなかで、時価総額と売買代金が共に高い方から選んでいくというものです。
いずれの市場に上場しているかに関係せずに、企業価値が市場から評価されている銘柄を選ぶという考え方は、従来のプライム、あるいは東証1部のみから銘柄を選ぶという視点から離れて斬新なものです。2026年10月から適用開始予定とのことで、まだ2年以上先となります。
ですが、東証ではスタンダードやグロースからそれぞれ50銘柄ずつがTOPIXに組み入れられる可能性との試算も公表しており、これらの市場で時価総額や売買代金が高い企業は思惑がらみで買われる可能性が考えられます。
TOPIXに組み入れられると、日本を代表する企業の1つと東証から認められることなので、企業にとってステータスになります。企業経営者はTOPIXに選ばれることが1つの経営目標となります。こうした企業は、企業価値を高めて、投資家から評価され株価や時価総額が大きくなり、市場での売買も活発になることが期待されます。
市場改革で注目される3つ目
このように東証の市場改革の大きな目的は経営者に企業価値を高める努力を促すことです。そして市場改革で注目される3つ目は、2023年3月に東証が公表したプライム市場及びスタンダード市場の全上場会社を対象とした「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」になります。
内容の詳細については『「PBR1倍割れ」でも稼げる企業を探す簡単な方法』で解説したので、そちらを読んでほしいのですが、企業に対して収益性を高めて企業の価値を向上させ株高を目指す取り組みを投資家に向けて「開示」してほしいというものです。
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