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セブン「大幅減益」で株価下落、北米事業に試練か 「結果を出してくれ」市場関係者から辛辣な声も

東洋経済オンライン / 2024年7月15日 8時40分

決算会見では市場関係者から厳しい声が飛んだ。北米事業の持ち直しが焦点だ(写真:今井康一)

「結果が求められる局面」「結果を出してほしい」――。アナリストから厳しい声が相次いだ決算説明会だった。

【セグメント別の利益を図表で見る】セブン&アイ、大幅な減益となった要因はどの事業か?

7月11日、セブン&アイ・ホールディングス(HD)が2025年2月期第1四半期(2024年3~5月、海外事業は1~3月)決算を発表した。営業収益は2兆7347億円、前年同期比3.2%の増収で着地した一方、営業利益は593億円と同27%の大幅減益となった。

翌12日、セブン&アイHDの株価は一時、前日終値から8%安の1777円まで下落し、年初来安値を更新。6.5%安の1814円で取引を終えた。

日米どちらもインフレに対応しきれず

今回、大幅減益となった要因は事業の二大柱である、日米コンビニ事業の不調だ。

国内コンビニの既存店売上高は、前期比102.5%を目指す通期計画に対し、3~5月は前年同期比で100%と横ばいにとどまった。ローソンの同102.8%などと比べても対照的な数値だった。

コンビニはスーパーやドラッグストアなどと比べて商品の価格が高い。中でもセブン‐イレブンは「高品質だがより割高」という印象が強いようだ。実質賃金がマイナスで推移する中、集客に苦戦している。

セブンもセールやキャンペーンを積極的に投入。広告宣伝費は前年同期の85億円から100億円超に膨らんだ。ただし、「値引き時には効果があったが、終了後すぐに売り上げが戻ってしまった」(セブンーイレブン・ジャパンの永松文彦社長)という。

この結果、販促費の膨張がそのまま利益を直撃し、国内コンビニの営業利益は前年同期比5%減の611億円となった。

より深刻だったのは北米事業だった。北米の子会社・セブンーイレブン・インク(SEI)は連結売上高の7割以上を占める中核企業だ。アメリカのインフレは日本以上に激しい。金利上昇やコロナ禍で充実していた各種補助金の終了もあり、消費者の生活防衛意識は強まっている。

北米のセブンーイレブンの顧客はインフレの影響を強く受ける低所得者層が中心だ。仕入れ値の高騰分をそのまま転嫁しない価格政策をとったものの、客数増加にはつながらなかった。たばこの販売も低調だった。

既存店の商品売上高は、第1四半期(1~3月)は前年同期比4%減と低調。粗利率も同2%減の32.1%となり、北米事業の営業利益は同38%減の2億ドルと厳しい結果となった。

北米の柱、ガソリンは今後苦戦か

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