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「ダイエットの成否」を分ける"睡眠時間の壁" 寝不足では「運動」や「栄養管理」も意味がない

東洋経済オンライン / 2024年7月16日 18時0分

睡眠時間が7時間未満の人は、肥満リスクが41%増加するという(写真:kapinon/PIXTA)

夏本番を目前に控えたこの時期、毎年のように頭にチラつくのがダイエットですが、フィットネス先進国であるニュージーランドの公認パーソナルトレーナー資格を持つmikiko氏によれば、ダイエットにまつわる「日本の常識」は、もはや世界では「非常識」になっているといいます。

ダイエットで無理なく効果を出すために、「運動」や「栄養管理」よりも前に「睡眠」に目を向けるべきと説くmikiko氏が、その科学的根拠について解説します。

※本稿は、mikiko氏の著書『ニュージーランド式 24時間やせる身体をつくる ベストセルフダイエット』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

睡眠7時間未満だと「肥満リスク」は41%増加

睡眠不足はダイエットの大敵。睡眠時間が7時間にも満たない生活を続けていると、身体は脂肪を蓄え始めることが数々の研究で分かっています。

30万人以上を対象にしたメタ分析という手法を使った研究では、睡眠時間が7時間未満の人は、肥満リスクが41%増加することが明らかになりました。

また、別の研究では、睡眠不足の人は「お腹周りの脂肪量と関係がある腹囲」が大きい傾向があることも明らかになっています。

このように、睡眠時間が短いことと肥満傾向の関連を示した報告はさまざまな人種・年齢・性別を対象にした研究でされており、7時間以上寝ることの重要性を示しています。

なぜ睡眠不足が体重増加につながるかについても議論はされていて、これまでに分かっている理由はいくつかあります。

まず、睡眠不足の状態では食欲のコントロールが困難になること。ある研究では、たった4日間の睡眠不足で、いつも以上の量の食事を摂ってしまったり、たった2時間前に食事をしたばかりなのに高脂質なお菓子をたくさん食べてしまったりする傾向が示されました。

数日間の睡眠不足で、空腹感の増加、暴食頻度の増加、食事量の増加、チョコレート摂取の増加、脂質摂取の増加などが起こりますが、これは空腹を感じさせるグレリンというホルモンが増加し、満腹感に関係のあるレプチンが減少することが関係しているとされています。

さらに、睡眠不足の状態が数日続くだけで、糖の代謝能力が落ちてインスリン抵抗性を引き起こしたり、1日を通して代謝が落ちる可能性も示唆されています。

こうした数々の研究から分かっているのは、睡眠時間が少ない生活をしていること自体が、食欲のコントロールを難しくし、身体の代謝機能を低下させているということ。つまり、睡眠不足を解消しない限り、いくら起きている間に頑張っても結果につながりにくいダイエットをしてしまう可能性があるということなのです。

日本人の睡眠時間は「世界最短」クラス

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