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サンリオ「35才創業家社長」が成し遂げた大復活劇 就任4年で株価は6倍、"V字回復"を導いた舞台裏

東洋経済オンライン / 2024年7月16日 8時30分

ただ物販事業に数百人の従業員がいる中で、習慣などもあり、ビジネスのあり方が変わらず来てしまった。今われわれは「エンターテインメント企業になりたい」と言っているが、昔からそういう考えは会長の中にもあって。それを僕が時代に合わせて変えていっているということだと思う。

――今後はどのような戦略が重要になりますか。

基本的にはグローバルでどう成長させるか、が重要だ。グローバルでキャラクターブランディングを管理する部署を立ち上げた。「ここは一気に全世界で展開したい」というときには、全世界で展開できるライセンシーとも組んでいく。インドなど、まだサンリオのキャラクターのシェアが高くない地域もあり、成長余地は大きい。

10年前に北米でハローキティが流行したときは、そのあと(流行が過ぎると)棚が一気にとられてしまうということがあった。今回はボラティリティを下げるためにも、海外で強いシナモロール、クロミなど、他のキャラクターのコンテンツをグローバルでしっかり作り、いつでもキャラクターが店頭にある状態を目指していく。

海外展開へプロ人材の採用進める

――課題はありますか。

グローバルでブランドをコントロールするプロデューサー人材や、現地と密にコミュニケーションがとれる人材が必要になるのは間違いない。

人材を採るのは大変ではあるが、これだけメジャーなIPがあり、これから進出する地域があり、ゲームやアニメにも取り組む。自分のコントロールでブランディングができ、新しいIPも生み出せる。どうみても今が一番楽しいと思う。

現に、ゲームなどに参入すると話すと、実績のある方々が声を上げてくださることが多い。おごり高ぶるわけではないが、そこはアピールしてしっかり採用したい。

――ゲームでは自社パブリッシングも視野に自ら投資していく方針を掲げています。

ゲームは今後われわれがエンタメに出て行くなら絶対にやるべきだ。世界のゲーム人口はかなり大きい。今まではライセンス許諾の形でやってきて、それは今後も続けていくが、やはりどのような世界観やデザインで何を目指してやるのかということを自社でコントロールすることも大事。

ゲームは確実にヒットするとは言い切れない業界で、リスクがあることもわかっている。投資委員会にゲームの知見がある方々にも入っていただき、しっかり審査している。

ただ当社の場合、ゲームをリリースしてみて伸び率が悪ければ、商品を出してプロモーションをかけたり、新規IPできつかったらハローキティをはじめとする強いIPと組んだり、ということができる。これは、ほかのゲーム会社にはまずない特徴だ。

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