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ドラマ「西園寺さん」ヒットの予感しかない3理由 「逃げ恥」「家政夫ナギサさん」に続く良作となるか

東洋経済オンライン / 2024年7月16日 20時0分

妻を亡くし、4歳の娘・ルカ(倉田瑛茉)を育てるシングルファーザーで、不運にも住居が火事になり、漫画喫茶暮らしを余儀なくされていたところ、見かねた一妃が階下を一時的に貸すことになった。

『ホタルノヒカリ』からアップデートされた部分

公式サイトによると、一妃と楠見はこれから“偽家族”として暮らしていくことになるという。つまり『私の家政夫ナギサさん』と『逃げるは恥だが役に立つ』を足して2で割ったような理想的なドラマではないか。

家事の問題を解決するための独特な家族の形を作ること、これぞ現代の最大のテーマなのである。

一妃の持論は「やりたくないことをやってる人を、やらなくていいようにすることが私のやりたいことだからやってるの」ということ。家事代行もそのひとつなのだ。

要するに、それぞれのやりたいことを自由にやれる世の中を目指す。こういうふうにわざとまわりくどく、でもなんだかわかるように纏めるセンスもなかなかいい。

秀逸な題材を取り上げた原作は、ひうらさとるの漫画。ひうらには『ホタルノヒカリ』(漫画は2004年から連載開始、2007年に日本テレビでドラマ化された)という大ヒット作もある。

“干物女”と言われる、仕事は優秀だが家事をいっさいしない主人公(綾瀬はるか)が、キレイ好きで家事の得意な部長(藤木直人)と一軒家で同居するという物語だった。

家事をしない主人公、家事の得意なイケメン、一軒家での同居……とこの人気要素が『西園寺さん〜』でアップデートされて、シングルファーザーとの偽家族になったと見ていいだろう。

令和的なアップデートがされた部分は、楠見の描き方だ。亡くなった妻が家事に手を抜かない人だったため、彼女の代わりに自分がちゃんとやらなくてはいけないと思っていて、それが彼を追い詰めてしまう。

もともと仕事も論理的にやるタイプだから、家事にも真面目に向き合っているのだろう。そして子育てにも。火事に遭い満喫生活しているとき風邪を引いて、娘に感染させてはいけないとバスタブの中に自ら隔離するとは真面目すぎる人物だ。

生真面目で、感情をあまり表に出せないタイプの楠見は、一妃の家のバルコニーでバーベキューをしたとき、妻のことを思い出して泣いてしまう。

ずーっと気を張って過ごしてきたから、一妃に手を差し伸べてもらえてホッとした瞬間の表情。これはもう、役割とか属性は男女関係ない時代なのだとつくづく感じさせた。

一妃のほうは、かつて母親ががんばりすぎて家を出てしまった過去がある。その体験が彼女を必要以上に家事に縛られないようにさせたのかもしれない。

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