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釧路が都心からの滞在体験で断トツ人気の理由 夏の最高気温は東京より10度、札幌より5度低い

東洋経済オンライン / 2024年7月16日 10時0分

(写真:Kei1962/PIXTA)

酷暑を避けた涼しい北海道での「ちょっと暮らし」が人気を集めている。北海道の自治体が運営主体となり、移住や2拠点生活を希望している人向けに、生活に必要な家具などを備えた住宅を用意。その地域での生活を体験してもらう制度で、2022年度は道内の107市町村で実施、88市町村で実績を残した。

【写真を見る】いくら、ウニ、カニなど北の海の幸がふんだんに盛られた麺や丼

全体では2751件、利用者数は4768人で前年度比180%の大幅な伸びを記録した。利用者は首都圏在住者が1460件で最も多く、近畿圏507件、中京圏189件と続く。

利用が多かった自治体は次の通りだ(カッコ内は延べ滞在日数)。

①釧路市:2267人(2万3726日)

②厚沢部町:548人(5947日)

③浦河町:123人(4031日)

釧路市が断トツで12年連続首位

道東にある人口約16万人の釧路市が圧倒的人気で12年連続首位となった。2023年度のデータは集計中のため道全体の状況は不明だが、釧路市に関しては判明している。コロナ禍が明けて旅行支援制度がなくなったこともあり利用者は2026人と1割ほど減ったが、延べ滞在日数は2万5148日と大幅に増加している。1人当たりの滞在日数が延びたということだ。

なぜ、釧路が人気化しているのか。

最大の要因は気象状況と大自然が織りなす、すばらしい環境だろう。太平洋沿岸の釧路は「霧の街」として知られ、夏場は2日に1日の割合で霧が観測される。南からの暖かな季節風が親潮に冷やされて陸地まで運ばれてくるからだ。その影響で夏場は日照時間が短く、気温も上がらない。

釧路の夏の平均気温(最高気温=1991年から2020年)は、7月が19.6度、8月が21.5度である。ちなみに東京は7月が29.9度、8月が31.3度。札幌は7月が25.4度、8月が26.4度である。東京よりも約10度、札幌と比べても約5度も低い。

そして市の周辺に釧路湿原と阿寒摩周という2つの雄大な国立公園が展開する大自然も大きな魅力だ。釧路湿原には国の特別天然記念物タンチョウをはじめ2000種もの貴重な動植物が生息している。阿寒摩周には阿寒湖、屈斜路湖、摩周湖などが点在し、雌阿寒岳、雄阿寒岳など火山も存在。アイヌ文化に触れる機会も多い。

釧路駅前の和商市場には近海で取れた新鮮な魚介類が常に並んでいる。サケ、いくら、ウニ、カニなど北の海の幸をとことん味わえるのも釧路の魅力だ。

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