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東芝の「鉄道自動運転」技術、実用化へ一歩前進 長野電鉄と実証実験、基本動作の検証が完了

東洋経済オンライン / 2024年7月16日 7時0分

もちろん実証実験が難なく進んだはずもなく、試行錯誤の連続。東芝の担当者は「技術開発の難易度はもちろんだが、どうやって試験するかにも苦労した」と振り返る。たとえば、線路内の人型支障物の検知試験。列車に実際に衝突させるわけにいかず、衝突直前にリモコンで支障物を倒すなどの苦労があったという。

今回の基本動作検証の完了を踏まえ、今後は前方監視技術の精度を高めて300m以上先の支障物検知を目指すとともに、さまざまな列車に適用できるようなシステムの改善にも取り組みたいという。また、現在はライダーが車両の前方外側に取り付けられているが、これも内部に収めるという。

人口減少社会を迎え、地方鉄道にとって運転士の確保が困難な時代になりつつある。しかも、資金力の乏しい地方鉄道が自動運転のために大規模な設備投資をするのは容易ではない。この自動運転システムが完成すれば地方鉄道にとって朗報に違いない。

このまま開発が順調に進むとは限らない。鉄道の歴史を振り返れば、基本動作検証が完了してもその後の耐久試験の結果が芳しくなく新幹線への採用を断念したフリーゲージトレインのような例もある。しかし、たゆまぬ努力が鉄道システムをより安全性に、より信頼性の高いものとしていることも鉄道の歴史から明らかである。

大坂 直樹:東洋経済 記者

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