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フォロワーや「いいね」の数が及ぼす危険な影響 数字の影響を受けやすいという人間の脳の弱点

東洋経済オンライン / 2024年7月17日 14時0分

フォロワーや閲覧数、「いいね」の数が多いと、つい深く考えることなく高い評価をしがちです(写真:metamorworks/PIXTA)

営業成績やボーナスの額、テストの点数、年齢や体重、レーティングや「いいね」の数など、私たちはなんでも計測し、数値化する世界に生きている。
しかし、私たちの脳は数字に無意識に反応してしまうため、数字はあなたを支配し、楽しい活動や経験をつまらないものにし、他人との比較地獄に陥れ、利己的で不幸な人間にしてしまうという。今回、過剰な数値化がもたらしているさまざまな問題を明らかにし、その解決策を示した『数字まみれ:「なんでも数値化」がもたらす残念な人生』より、一部抜粋、編集のうえ、お届けする。

「いいね」の数が多いと信頼できる?

残念なことに、人間はアルゴリズムのように活動する――そのせいで私たちは、フェイクニュースの中の数字に影響されて、また別の方向に導かれていく。

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ニュースの中の数字から逃れられないだけではなく、何人がそのニュースを見て「いいね」を押したかという形で現れるニュースをめぐる数字からも、身を守ることができないのだ。

研究によれば、人々はオンラインで多くの「いいね」を集めているニュースのほうが、「いいね」の少ないニュースより信頼できるとみなしている。

その上、「いいね」の数が多いと、どのニュースが本物か偽物かを見分けるのが難しくなる。まるで大きい数字が批判的思考を妨げるかのようだ。

本物のニュースと偽物のニュースに「いいね」がほとんどついていなければ、それらを見分けるのに同じような問題は起きない。

さらにばかげているのは、投稿を実際にクリックしたり読んだりしないで「いいね」を押したりコメントしたりする人が、ごく普通にいることだ。

それならば、人々が影響を受ける「いいね」は本物である必要もなく、実際、数字が必ずしも「いいね」の形をとらなくても影響を受けている。閲覧数で十分だ。

私たちはある実験で、架空の人物に関する肯定的な投稿と否定的な投稿を被検者に見せ、それぞれに閲覧数を20または2000とする数字をつけた。

すると、肯定的な投稿を読んだ被検者は、投稿の閲覧数に20より2000を目にした場合のほうが、この架空の人物をより肯定的に受け入れた。

同じく、否定的な投稿を読んだ被検者は、閲覧数が100倍と知った場合のほうが、この架空の人物をより否定的にとらえた。

それにもかかわらず、大きい数を目にした人も小さい数を目にした人と同じように、その投稿を他の何人が読んだかには影響されていないと確信していた(それどころか、他の人が数字に影響されたと確信する傾向が強くなった)。

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