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頼り甲斐ある山岳路線、山梨県ご当地鉄道事情 富士山や八ヶ岳へ、中央線特急を中心に大活躍

東洋経済オンライン / 2024年7月17日 7時30分

いずれにしても、夏場の富士急行線は国内外の富士登山客で大にぎわい。今年から富士山は登山規制が行われているというし、クルマやバスを使う人も少なからずいるはずだ。

それでも富士急行線が富士登山ルートの一角をなす登山電車であるということは変わらない。富士山の五合目までは、富士山駅か河口湖駅からバスに乗り継いで、富士スバルラインを登ってゆく。

この富士スバルラインに路面電車を敷設する富士山登山鉄道構想があるが、是非をめぐって議論が続く。実現するとしても、だいぶ先のことになりそうだ。

駅前で信玄公がお出迎え

大月駅に戻り、中央本線の旅を続けよう。

中央本線は、山梨県に入るとまずは西に向かって一直線。しばらくは渓谷沿いを走り、勝沼ぶどう郷駅から甲府盆地に入る。勝沼ぶどう郷駅付近は標高約480m。そこから甲州市や山梨市のブドウ畑を車窓に見ながらじわじわと下ってゆき、標高約280mの県都・甲府市のターミナル、甲府駅にやってくる。

甲府駅は駅前広場で武田信玄公の像が出迎えてくれる。さすが信玄公の町、甲府である。駅のすぐ脇には甲府城もあるが、こちらは江戸時代になって築かれたお城で信玄公とは無関係。信玄公のお館は、甲府駅の北にまっすぐ行った先、いまは武田神社になっている躑躅ヶ崎館だ。

そして、甲府駅からは身延線というJR東海のローカル線も走っている。富士山の西麓を富士川に沿って南北に走る路線で、富士駅までを結んでいる。

どちらかというと富士駅側の印象が強く、静岡県の路線というイメージもある。が、実は県境は富士駅に近い稲子―十島間。身延線はほとんどの区間で山梨県を走っている。

八ヶ岳をバックに走る高原列車

甲府駅から中央本線の先を急ごう。ここまで東から西へと走ってきた中央本線は、甲府盆地から北西へと進路を変えてゆく。

一部の特急「かいじ」終点になっている竜王駅、武田勝頼の時代に新たな拠点とすべく築かれた新府城跡が近い新府駅などを経て、釜無川沿いを上流へ。標高が900mに迫ってきたところで、山梨県内の“終点”を迎える。その駅は、小淵沢駅だ。駅弁の「丸政」の拠点でもある。

小淵沢駅までやってくると、もう高原リゾートの空気に満ちあふれている。真夏の盛りに訪れても、心なしか東京都心と比べて涼しいような。少なくとも、アスファルトの照り返しよりは木々のざわめきのほうが目立つ町であることは間違いない。

小淵沢駅からはそのまま中央本線の旅を続けて信州に入ってもいいし、ローカル線のJR小海線に乗り換えてもいい。中央本線の旅ならば、信州に入ってまもなく諏訪湖のほとり。小海線は八ヶ岳の南麓、まだしばらくは山梨県内を走る。小淵沢駅を出て八ヶ岳をバックに大きなカーブを描くのは、いきなり訪れる小海線のハイライトだ。

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