「"現場力"が死んでる日本企業」3つの危機的症状 なぜ多くの会社から「現場力」が失われたのか?
東洋経済オンライン / 2024年7月18日 10時30分
日本は「人手不足」から「人手枯渇」の時代へと突入する。
それはたんに個々の現場の問題ではなく、経営そのものが回らなくなり、足元から瓦解することを意味している。
【3】苦悩は「諦め」に、不満は「不信」になっている
現場力とは現場で働く人たちが主体的にさまざまな問題解決に取り組むことである。そのためには「高い当事者意識」、そして積極果敢に挑戦するための「熱気」「意欲」が不可欠だ。
にもかかわらず、現場が「熱」を帯びていない。これこそ、日本企業にとっては最大のリスクである。
ある大手企業の営業現場でのワークショップでは、こんな言葉が次々と出た。
「相変わらずの個人商店の集合体。仲間意識もなければ、一体感もない」
「とにかく働く環境が劣悪。仕事をしない年配社員がいるだけで、若手社員のモチベーションは下がる。なのに、会社も上司もまったく手を打とうとしない」
「上司は選べないが、会社は選べる。やる気のある人から当然のように去っていく」
こうした状況は、いっきに生まれたわけではない。「失われた30年」の間に、経営の誤った舵取り、無為無策がじわじわと現場を痛めつけ、どうにもならない状況にまで追い込んでしまった。
数年ほど前までは、現場が苦悩し、もがき苦しむ姿を見かけた。経営陣や管理職に対する不満の声も耳にした。いまから思えば、それはまだ健全な姿だった。
いまでは、苦悩は「諦め」へと変容し、不満は「不信」へと変質した。これが3つめの理由である。
もう一度ゼロから現場力を「鍛え直す」必要がある
「現場力は死んだ」と認めざるをえないほど、日本企業の現場は変わってしまった。
現場力は最初から存在するものではない。現場に眠っている現場力という潜在的なパワーを覚醒させ、鍛えなければならない。
これからの私たちはもう一度ゼロから現場力を「鍛え直す」必要がある。しかし「鍛え直す」といっても、単純に元に戻せばいいというわけではない。
いまは、企業を取り巻く環境、働く従業員の価値観、そしてテクノロジーは大きく変化している。これからは、そうした 「新たな環境」に適合する「新しい現場力」へとアップデートすることが求められているのだ。
遠藤 功:シナ・コーポレーション代表取締役
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
モンスター社員の入社を防ぐ採用面接のポイント 「ヤバい人」を見極めるキラー質問とは?
東洋経済オンライン / 2024年7月9日 15時0分
-
人手不足倒産、過去最多ペース 「2024年問題」が直撃、物流業では倍増近くに
PR TIMES / 2024年7月5日 12時40分
-
「頑張っても認められない」と悩む人の残念な視点 仕事人生の成功に「選ばれる技術」が必要なワケ
東洋経済オンライン / 2024年6月28日 16時30分
-
『遠隔支援の〈音声・動画〉でAIを学習し、マニュアルやアシスタントを作成』というテーマのウェビナーを開催
PR TIMES / 2024年6月25日 10時45分
-
ゼネコン「転職するだけで年収200万円増」の衝撃 「前向きな40代」と「悲痛な20代」の転職最前線
東洋経済オンライン / 2024年6月24日 8時0分
ランキング
-
1マクドナルドが「ストローなしで飲めるフタ」試行 紙ストローの行方は...?広報「未定でございます」
J-CASTニュース / 2024年7月17日 12時55分
-
2セルフレジで客が減る? 欧米で「セルフレジ撤去」の動き、日本はどう捉えるべきか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月18日 8時10分
-
3「レイバン」メーカー、人気ブランド「シュプリーム」を15億ドルで買収
ロイター / 2024年7月18日 8時34分
-
4永谷園、MBO成立=今秋にも上場廃止
時事通信 / 2024年7月17日 20時36分
-
5申請を忘れると年金200万円の損…荻原博子「もらえるものはとことんもらう」ための賢者の知恵
プレジデントオンライン / 2024年7月17日 8時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください