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令和に「パワハラ首長」が続出する"まさかの背景" 問題視されても、なぜパワハラはなくならない?

東洋経済オンライン / 2024年7月18日 15時0分

そもそも組織のトップは、周囲との心的・身体的な距離感を適切なものに保てなければ、常にハラスメントを訴えられるリスクがあるポジション。トップに就いたあとに「自分は選ばれた」という意識が高まりすぎるとその距離感がズレて、「自分が思っているより遠かった」「相手にしてみたら近すぎた」ことで訴えられてしまうケースが散見されます。

さらに、「自分を選んでいない」という人が多数いることや、「選ばれたときに得た評価は変わる」ことを忘れがちなところも含め、組織のトップは自意識以上に周囲との心的・身体的な距離感を意識するべき時代なのでしょう。

パワーを意識した日々を経た「全能感」

「自分が変えなければいけない」という自意識が強くなりすぎる懸念はそれだけではありません。「まるで枕詞のように自己正当性や過剰攻撃の言葉が口を突いて出やすいこと」もリスクの1つです。

パワハラ気質のあるトップは「自分が正しい」という前提で話しはじめるため、そこから外れた人を「努力していない」「頭を使っていない」「間違えている」などと勝手なラベリングをしてしまう傾向があります。

もしその発言が正しかったとしても、誰かや何かを否定する必要性はありません。むしろトップだからこその配慮や寛容さを見せたいところですが、それを見せなければ正しい発言でも、何らかのフレーズからパワハラを感じられてしまうリスクがあります。

また、組織のトップは時間や利益を考えて、過程や文脈より効率や事実を重視するところがありますが、その際も「自分が」という意識が強すぎると自己正当性や過剰攻撃の言葉を続けやすいため要注意。

さらに、自分の言葉や真意が伝わらないときに、相手を論破しようとすることで言いすぎたり、言葉が強くなったりしてしまい、パワハラを訴えられるケースも散見されます。

最後に挙げておきたいのは、自治体や企業のトップを目指す人がはまりやすい思考回路とそのリスク。

「多くの人々のトップに立つ」ことを目指す人は、自分がそこへたどり着くために上下関係や力関係への意識が高まりやすいところがあります。

地位や名誉、権限や資格などのパワーに敏感な日々を送り続けた結果、いざ“上”になったときに全能感を抑えづらいことがリスクに直結。謙虚に振る舞おうとしても、パワーの存在を自覚してしまい、よほど意識を高めなければそこから逃れることは難しいところがあります。

なかでも、よく見られるのは、パワーを前提に「彼にはこれくらいは言っていい」「当たり前のことを言っているだけ」などと自分の言動に甘くなりやすく、周囲への心理的な配慮に欠けやすくなること。

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