ファーウェイ、独自OS「鴻蒙」のアプリ開発順調 すでに1500本以上、ソフト開発会社が積極対応
東洋経済オンライン / 2024年7月19日 17時0分
中国の通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)は6月21日、ソフトウェア開発者向けの年次イベントを開催し、独自開発OS(基本ソフト)「鴻蒙(ホンモン、英文名はハーモニーOS)」の次期バージョンである「鴻蒙星河版(ハーモニーOSネクスト)」のベータ版をリリースした。
【写真】鴻蒙・星河版のコードはファーウェイの自社設計半導体に最適化されている
現行バージョンの鴻蒙には、アメリカのグーグルのOS「アンドロイド」用のアプリを実行できる互換機能が組み込まれている。次期バージョンはこの互換機能を廃止し、鴻蒙用のネイティブアプリにのみ対応することから、中国のソフトウェア業界では「純血鴻蒙」とも呼ばれている。
「これは中国で開発された、独自にすべてをコントロールできる(外国企業のエコシステムに依存しない)OSだ」
ファーウェイの消費者向け端末事業を率いる余承東氏は、イベントの壇上でそう胸を張った。同氏によれば、鴻蒙がインストールされたスマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、ワイヤレスイヤホンなどのデバイスは、2024年5月末時点で累計9億台を超えたという。
「ウィーチャット」も近く合意か
「ユーザーの使用時間の99.9%を占める5000本のメジャーアプリのうち、すでに1500本以上が鴻蒙版をリリースし、ユーザーが試用できる段階にある」。ネイティブアプリ開発の進捗について、余氏はそう述べた。
それらの中には、字節跳動(バイトダンス)のショート動画アプリ「抖音(ドゥイン、TikTokの中国国内版)」、阿里巴巴(アリババ)の通販アプリ「陶宝(タオバオ)」および対話アプリ「釘釘(ディントーク)」、騰訊控股(テンセント)の動画アプリ「騰訊視頻(テンセントビデオ)」などの人気アプリが含まれている。
注目されるのは、中国人のほとんどが利用しているテンセントのスーパーアプリ「微信(ウィーチャット)」のネイティブアプリ化が、今回はアナウンスされなかったことだ。
6月19日付のブルームバーグの報道によれば、ファーウェイとテンセントは数カ月間の交渉を経て、ウィーチャットのネイティブアプリ化に関する合意に近づいており、その条件は(ウィーチャットに統合されたキャッシュレス決済機能である)「微信支付(ウィーチャットペイ)」に対してファーウェイが手数料を課さないことだという。
この報道に関する財新記者の取材に対し、ファーウェイはコメントを避けた。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1TBS退職→Netflixと5年契約「50代P」選んだ道 「不適切にもほどがある」「俺の家の話」手掛けた
東洋経済オンライン / 2024年7月18日 12時30分
-
2半世紀も"主役"フロッピーディスクの栄枯盛衰 「なにそれ?」と知らない世代も増えてきた
東洋経済オンライン / 2024年7月19日 8時0分
-
3マクドナルド 約3割の店舗が営業停止 レジに障害
日テレNEWS NNN / 2024年7月19日 11時46分
-
4電話番号案内「104」終了へ…NTT東・西、スマホ普及で需要落ち込む
読売新聞 / 2024年7月18日 22時18分
-
5三菱UFJが首脳3人処分へ 報酬減額、情報無断共有で
共同通信 / 2024年7月18日 18時25分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください