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14週連続で増加「手足口病」で知っておきたいこと 症状や治療法、感染対策について詳しく解説

東洋経済オンライン / 2024年7月19日 10時50分

感染者数が増えている「手足口病」について、医師が解説します(写真:Yotsuba/PIXTA)

手足口病の流行が拡大している。

【グラフで見る】「手足口病」定点あたりの感染者数は14週連続で増加。この時期の感染者数としては、過去10年で最多

国立感染症研究所(感染研)によると、現時点で最新データである、6月24~30日の約3000の小児科を対象とした定点あたりの感染者数は8.45人で、14週連続で増加している。

この時期の感染者数としては、過去10年で最多だ(図)。※外部配信先ではイラストを閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください。

手足口病が感染拡大する2つの理由

神奈川県にあるナビタスクリック川崎で診療する小児科医の高橋謙造医師は、「外来患者の4分の1は手足口病です」と言う。

この時期に手足口病が増えているのは、2つの可能性が指摘されている。

1つはコロナ禍で外出を自粛する人が増えたため、流行が抑制され、集団免疫が低下したからだ。その証左に2020、2021年には手足口病は流行せず、2022年も流行は小規模だった。

2つめの可能性は、コロナ後遺症として免疫力が低下する可能性だ。

手足口病に関する研究はないが、2023年5月、アメリカ・ケースウェスタンリザーブ大学の研究チームが発表した研究によれば、コロナに感染したことのある子どもが風邪ウイルスのRSウイルスに感染するリスクは、コロナに感染したことのない子どもの1.4倍だったという。

同様の指摘は、他の研究グループからも報告されている。

手足口病はどんな病気か?

手足口病はその名の通り、口の粘膜、手、足に症状が出るウイルス性の感染症で、英語でも“hand,foot and mouth disease”となっている。

原因となるのはコクサッキーA16、コクサッキーA6、エンテロウイルス71などの胃や腸で増殖するウイルスだ。夏場に子どもを中心に流行することが多く、患者の過半数は2歳以下の乳幼児である。

それぞれのウイルスは、一度感染すると免疫を獲得するため、再感染することはない。ただ、コクサッキーA16に感染しても、ほかのコクサッキーA6やエンテロウイルス71に対する完全な免疫は獲得できないため、感染することがある。

一方、大人が手足口病を発症することは稀なため、学童期までに大半の子どもが、不顕性感染(感染していても症状が出ていない状態)を含め、すべての型のウイルスに感染していると考えられている。

手足口病は、一般的には軽症だ。感染すると3~5日の潜伏期間をおいて、口腔粘膜、手のひら、足の裏や甲などを中心に直径2~3 ミリの水疱ができる。約3分の2の感染者は発熱せず、発熱した場合でも、多くは38℃以下だ。水疱は3~7日程度で自然に消退する。

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