1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

物議醸す「ダイドー株売却」の内幕を丸木氏語る 大幅増配公表直後で批判を向けられた物言う株主

東洋経済オンライン / 2024年7月19日 18時0分

山田さんは村上さんの言いなりだった。「翌4日までに答えないとTOBされる」ので翌日までに答えがほしいと言うが、そんなのは今日明日答えるって無理。考える時間がいる。

その日の夕刻、われわれは、ダイドーが株主の議決権行使に関しいろんな干渉をした件についてまずは謝罪するようにメールを送った。株主総会の前、ダイドーは個人株主に電話をかけて議決権行使を変えさせようとした。村上さんに対しても株主提案に賛成するなら新経営陣には会わせないと言った。

メールには、それらを公表して謝罪してほしい、株主還元の案についてはその後に答えると書いた。われわれの了解がないと(還元を)やらないって言っていた。なのでやらないと思ってたが、翌日に発表した。

これが事実だ。今の村上さんの運用規模からすると、なぜそこまでするのだろうと非常に不思議ではあるが。

投資として成功ではあったが

ーー丸木さんと村上さんは今、どのような関係性ですか。

もう10年くらい会ってないが、たまに電話がかかってくる。

今回は私から電話をした。南青山不動産(村上氏の関わる投資会社)がダイドーの大株主になったのを見たから、株主提案に賛成してくれと2回くらい電話で話したかな。彼は賛成するということを言っていた。

ところが総会後に出た臨時報告書で、賛否がすごい僅差だったとわかった。村上さんは謝罪の電話をしてきた。「賛成すると言ったがしなかった。棄権せずに賛成したら、丸木の提案した6人全員通っていた」と。君は噓つきだ、もう電話してくるなと言った。その後、着信拒否にした。

ーーダイドーに対する投資は成功だと言えるのでしょうか。

投資としては成功だろう。でもトータルで成功したかというと、いろいろ思うところがある。村上さんの行動にも、会社側の対応にも、株主提案に賛成してくれた株主、賛成してくれなかった株主、それぞれに対してだ。

われわれアクティビストとは、アクティビスト戦略によって投資リターンを追求する投資家だ。世直しをしてお金儲けをしなくてもいいということではない。

もちろん両方実現したいが、職業としてはお金を預けてもらっている投資家にリターンを出すよう努力しなければならない。とくにうちの場合、8割がアメリカの厳しいプロの投資家だ。

たまたま、株主総会の翌日、ダイドーの株価が800円台のとき、うちに来た投資家がいた。「マルキ、まだ売らないのか。本当に上がるのか」。そうプレッシャーをかけられる。

売るしかなかった状況

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください