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踏切25カ所撤去「京王線高架化」の進み具合は? 全工区で工事着手、高架橋もあちこちに出現

東洋経済オンライン / 2024年7月20日 9時0分

連続立体交差事業が進む京王線。姿を現した高架橋と電車(記者撮影)

新宿を起点に八王子や多摩ニュータウン、訪日外国人観光客にも人気の高尾山などへ路線を延ばす京王線。利便性や沿線の住みやすさなどで首都圏の人気路線の1つである同線の「泣きどころ」が、都心寄りの区間に残る踏切の多さだ。

【写真を見る】「開かずの踏切」が悩みの種の京王線。踏切を解消するための連続立体交差事業はどこまで進んでいるのか。

ピークの1時間に40分以上開かない「開かずの踏切」は20カ所以上。ラッシュ時だけでなく昼間も踏切が道路交通のネックとなっている場所は多い。

この長年の課題を解消すべく、同線の笹塚―仙川間約7.2kmの線路を高架化する「連続立体交差事業」が進んでいる。すでに各地で高架橋が姿を現しており、2024年4月には最後まで残っていた工区も工事に着手した。

姿を現す高架橋

連続立体交差事業の区間は、京王線でとくに混み合う区間でもある。鉄道の混雑率に関する国土交通省のデータによると、同線の最混雑区間は高架化の対象となっている下高井戸―明大前間。混雑率は129%(2022年度)で、ピーク時1時間に上りだけでも26本の列車が走る。ほぼ2分に1本の割合で列車がやってくる計算だ。

列車の本数が多ければ踏切の遮断時間も長くなる。笹塚―仙川間には25カ所の踏切があり、すべて「開かずの踏切」。東京都建設局の資料によると、ピーク時には1時間のうち57分遮断されている踏切(2019年度)もある。線路の高架化によって、これらの踏切がすべて解消される。

【写真】各地で高架橋が姿を現しつつある京王線の笹塚―仙川間。工事の進む沿線の様子、そして高架化後の駅の姿は?(40枚)

連続立体交差事業は東京都が事業主体となって行う道路整備の一環で、2013年度に着手した。

都建設局道路建設部によると、全体の事業費は約1843億円で、国の補助や自治体負担分を含む「都市側」の負担額は約66%の1220億円、そのほかを京王が負担する形という。都区内の連続立体交差事業の場合、一般的な負担割合は都市側が約85%、鉄道側が約15%だが、京王線の場合は「(鉄道側が負担する)複々線化計画の用地確保も一部行っている」(都建設局)ため、割合が異なるという。

工事は、笹塚側から第1~第8まで8つの工区に分けて実施。2018年10月に、代田橋駅付近の第1工区、明大前駅付近の第2工区、芦花公園駅付近の第6工区、仙川駅につながる区間の第8工区で始まった。その後2021年4月に下高井戸駅付近の第3工区、桜上水駅付近の第4工区でもスタート。2022年10月に千歳烏山駅付近の第7工区、そして残る上北沢駅付近の第5工区の工事が2024年4月に始まった。

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