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「最高益の会社」の株価が上がらない当然の理由 相場に影響を与えるのは過去のデータではない

東洋経済オンライン / 2024年7月22日 16時0分

会社の経営状況に影響を与える要素に、「外部要因」があります。わかりやすくいうと、天災や災害といった「事故」、あるいは経済危機といった要因です。いずれも会社側、経営陣に対処のしようがない災難ですが、こういった事態に投資家はどう対処すればいいのでしょうか。

たとえば、工場の火災などはその企業の業績に対しマイナスになります。

2023年12月31日、エンジンバルブ製造のNITTAN(6493)の工場で火災が発生しました。同社の主要製品の1つの舶用部品の生産も止まります。舶用部品の事業部は好調だったにもかかわらず、一転して2024年3月期では部門赤字となる結果を招きました。

では、株価への影響はどうだったのでしょうか。下に同社のチャートを掲載していますが、株価にはまったくといっていいほど影響が及んでいません。

確かに工場の喪失という損害が出て、さらに生産が一時止まって業績にもマイナス作用を及ぼしています。しかし、それはあくまで一時的な要因。火災による損害の大部分は保険でカバーもできます。

「天災に売りなし」という投資格言もあります。

狼狽売り(あわてて売る)することなく、冷静な対処が必要です。逆に、市場が過敏に反応して売りが殺到した時などは、買いのチャンスかもしれません。

これは天災に限らず、会社内部の不祥事、一部社員の不正行為などでも同じことがいえます。

会社内の不祥事といえば、粉飾決算や社員が企業秘密を外部に持ち出したり、顧客の個人情報を外部に持ち出したりといった事件がよく報道されますが、会社の存亡にかかわる事案でなければ、投資家は冷静に対処するべきでしょう。

ただし、長期にわたって業績に悪影響を与えるとか、会社の存続が危ぶまれるような事案ではすばやく売却したほうが得策というケースもあります。

古くはライブドア事件など、会社が消滅し、投資家が大きな損失を出したケースもあります。それどころか、ライブドアに強制捜査が入ったあとの2006年4月には、市場全体に影響が出て株価が暴落しています。

2007年に露見したサブプライム住宅ローン問題、それが引き起こした2008年のリーマンショックなどは、長期にわたって世界的な株式市場の低迷を招きました。

事件、事故などによってどれくらいの影響があるのか、まずは冷静な判断が求められるところです。

政権が交代しても上がる株、下がる株がある

日本では長らく自民党が政権の座について、あまり政権交代が行なわれていません。そのため、政権交代が頻繁に起こるアメリカなどに比べ、どの政権かによって利益を被る企業、そうでない企業の差があまり感じられないかもしれません。

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