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「最高益の会社」の株価が上がらない当然の理由 相場に影響を与えるのは過去のデータではない

東洋経済オンライン / 2024年7月22日 16時0分

しかし、思い出してください。日本で2009年に民主党政権が誕生し、鳩山由紀夫内閣が成立した時のことを。

民主党政権は、「コンクリートから人へ」というスローガンで誕生し、軒並み公共事業費を削減しました。

道路 25%マイナス

空港 20%マイナス

ダム 12%マイナス

と、2010年度予算の公共事業費は前年度比マイナス。そのため建設やコンクリートといった企業は打撃を受けました。当然のことながら株価にも悪影響を与えました。

政治や政策が変わることによって、株価にも影響が及ぶのです。政権交代がありそうな時は、その政権が推し進めそうな政策をチェックしておくことです。

もしトランプ氏が大統領になったら

2024年秋、アメリカで大統領選挙が行なわれます。共和党の候補になりそうなトランプ氏。一方、現職のバイデン大統領は民主党の候補になりそうです。

7月現在、トランプ氏有利ということになっています。「もしトランプ氏が大統領になったら」ということで、株価にどう影響を与えるか、両者が打ち出す政策を比較してみましょう。アメリカの株価は日本株にも多大な影響を与えます。

トランプ氏はこれまで自国優先主義を唱え、自国産業の保護政策を訴えています。具体的にはアメリカ国内に入ってくる輸入品に高い関税をかけるのでは、と日本の輸出産業は警戒しています。

関税に関して、中国にはもっと高率の関税をかけるのではといわれています。リベラル色が強いバイデン大統領より中国に対し強硬な態度を取るかもしれません。

そうなると、中国関連の銘柄にはマイナスに作用するでしょう。それは日本の企業も同様です。

逆に、アメリカから日本に輸出される品目に関しては、日本に対し関税の引き下げを要求してくるでしょう。

アメリカから多く輸入される品目で多いのが、食料品。特にトウモロコシといった穀物に加え、牛肉などの畜産物がそれに該当します。その恩恵をまず受けるのが飼料会社ではないでしょうか。

このように、「変化」の影響がどこに及ぶのか、連想を働かせるのです。

環境の変化で人々の行動が変わる

人々の行動に大きな変化が起きた時、企業の業績にプラスになる業種、業績にマイナスになる業種があります。

わかりやすい事例が、2019年末からはじまったコロナ禍です。

2019年に中国で発生したといわれる新型コロナウイルス感染症は翌2020年3月11日にWHOがパンデミックを宣言。日本のみならず世界的な株安を招きました。2020年初頭には2万4000円台にあった日経平均株価は、3月には一時1万6000円台まで急落します。

しかしその後、急回復を遂げます。その間、業種によって上げ下げは大きなばらつきが出ます。コロナ禍によって人々の行動様式に大きな変化が起きたからです。

最も大きな変化は、人々の流れ。特に外出自粛です。そのため外食産業は業績を大きく下げ、関連銘柄は株価を急落させます。ほかにレジャー関連、鉄道や空運、ホテルなどの銘柄が値を下げました。

一方、ワクチン開発にかかわった薬品関連、マスクの製造会社などは大きく株価を上げます。また、巣ごもり需要でゲーム関連、在宅勤務で一部のIT関連銘柄も値を大きく上げました。

このように、世の中の景色が変わると、上がる株、下がる株の違いに大きな差が出るのです。

安恒 理:現代ビジネス兵法研究会代表

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