「2025年日経平均株価5万円」への道が見えてきた 7月以降は小型グロース株の水準訂正に期待
東洋経済オンライン / 2024年7月22日 10時30分
今回は日経平均株価が史上最高値を更新した7月11日のところから振り返ってみよう。
4万2224円で終了した同日のローソク足チャートは、前日10日との間でローソク足が重なっていない。これをテクニカルの用語ではマドと言う。
続く翌12日の1033円安も寄付きから大きく下げたため、同じくマドを作った。従って11日は、大陸から離れた小島のようなかたちで、これは「アイランドリバーサル」と言い、相場の天井を表す形と言われる。
「今回の宵の明星」は「天井シグナル」ではない
実は、兜町では「捨て子線」などという怖い表現が一般的だが、その捨て子の前日が陽線で翌日が陰線の場合は「宵の明星」などと優雅な言い方もされる。しかし名称がどうあろうとも、買い方にとっては嫌な形で、相場のセンチメント(心理)は一気に低下する。しかもその後に続いた先週の1週間(16~19日)が日経平均で1126円安となったため、弱気転換となった投資家も多いと聞く。
しかし、冒頭のチャートの形が出た7月第2週(8~12日)の外国人動向は、対内証券売買契約(財務省ベース)が2276億円の買い越し、東京証券取引所ベースでも1288億円の買い越しで、さらに先物でも8473億円を買い越している。
つまり、12日の急落の売り物を差し引いてもこれだけの買い越しになったということは、11日の史上最高値までに売り方外国人投資家の大量の買い戻し(踏み上げ)があったことを表している。この踏み上げと、その一巡後の行動が、「宵の明星」の正体だ。ならば、これは天井シグナルではなく、一時的な調整と見るべきだろう。
このコラムでも繰り返しているように、「今回のデフレ脱却相場は、政府の『デフレ脱却宣言』が出る前には終わらない」という筆者の大局観はまったく変わっていない。
今回の相場は2023年大発会の日経平均2万5716円から始まり、同年7月3日の3万3753円までの8037円高で高値をつけたあと調整に入った。
そして、調整が終わった2023年11月からの年をまたいだ「2段上げ相場」によって、今年7月11日、前出の3万3753円から計算すると再び8000円以上の上昇(8471円高)の4万2224円となって、史上最高値を更新した。一時は景気後退懸念まで出ていたアメリカの経済は物価の落ち着きとともにソフトランディングの様相となり、同国の10年債利回りは4%台前半で落ち着いている。
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