1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

世界中で発生、Windows「画面が真っ青」の原因 850万台に及ぶシステム障害はなぜ起きたのか

東洋経済オンライン / 2024年7月22日 20時0分

スターバックスでも画面が青色に(写真:Jordan Vonderhaar/Bloomberg)

飛行機のフライトが中断され、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンも窓口でのチケットの販売を一時中止するなど広範囲に影響が及んでいる世界規模のコンピューター障害。なぜこのような大問題が発生したのだろうか。

【写真】空港などではフライトの欠航が相次いだ

7月19日、世界中の、主に業務システムに使われているWindowsコンピューターで画面が真っ青になるエラーが発生し、世の中を大混乱に陥れた。この問題は、コンピューターの歴史において過去最大と言われるまでに影響範囲が拡大している。

ブルースクリーン表示の意味

世界中のコンピューターで最も多く使用されている基本ソフトウェア(オペレーティングシステム。OSと略される)であるWindowsは、OSとしての機能続行ができないほどの障害が発生したときに、青い背景に白字でエラーに関する情報を表示するBSoDとよばれる画面を表示して、機能を停止するようになっている。

BSoDは「Blue Screen of Death」の頭文字を取った略称で、直訳すると「死の青画面」となる。日本では単に「ブルースクリーン」と呼ばれることが多いこの画面の本来の役割は、開発者に対し、発生した不具合に関する情報を表示することだ。

今回、世界中で発生したBSoDの問題は非常に広範囲に及んでおり、空港を含む各種交通機関や医療機関、金融機関、スターバックスなどの飲食店、さらに、日本国内ではテーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどもその影響を受けた。BSoDが発生した企業や組織は一時的にサービス提供や各種業務を中断せざるをえない状況になり、記事執筆時点(7月21日)においても、まだ問題から回復できていないシステムやサービスもあるようだ。

コンピューターウイルスではない

コンピューターに障害が起きる原因は多々あるが、そのひとつには、コンピューターウイルスなど不正プログラムの侵入が挙げられる。最近では、悪意ある者がコンピューターの脆弱性を突いて企業や各種機関に不正プログラムを侵入させ、その組織内のコンピューターを一斉に暗号化、ロックがかかった状態にしてしてしまい、困り果てたターゲット企業に解除キーを購入させようとする、ランサムウェア(身代金要求ソフトウェア)の被害が拡大している。

しかし、7月19日に世界中で一斉に業務システムにBSoDを引き起こしたのはランサムウェアではなく、問題を引き起こすコンピューターウイルスなどの侵入を防止するために導入されている、企業向けのセキュリティソフトウェアで発生した不具合が原因であることがわかっている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください