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世界中で発生、Windows「画面が真っ青」の原因 850万台に及ぶシステム障害はなぜ起きたのか

東洋経済オンライン / 2024年7月22日 20時0分

これは、問題がクラウドストライクのソフトウェアによるものだとの報道が報じられるなかで、顧客企業に対してクラウドストライクのスタッフになりすました人物から電話がかかってきたり、セキュリティの専門家を自称する人物が、サイバー攻撃に狙われている証拠があると主張してコンタクトを取ってくる事例が報告されるようになってきたからだ。

中には、今回発生した問題を自動的に修復するスクリプト(プログラムコードの一種)を有償で提供すると持ちかけるものさえあるとのことだ。もちろん、そんな出所不明のスクリプトを適用して、その結果コンピューターウイルスやランサムウェアを仕込まれたりすれば、目も当てられない惨事になりかねないので、うかつに信用してはいけない。

一方、Windowsを提供するマイクロソフトのサティア・ナデラCEOも、日本時間7月20日午前1時ごろに「我々はこの問題を認識しており、クラウドストライクおよび業界全体と緊密に協力し、顧客のシステムを安全にオンラインに戻すための技術的なガイダンスとサポートを提供している」と述べた。

シェアの高さが仇に

クラウドストライクFalcon SensorにはMac版やLinux版もあるが、今回の問題はWindows版に提供されたアップデートファイルに問題が含まれていたことで発生した。本来なら、コンピューターウイルスなどの悪意あるソフトウェアがシステムに侵入することで引き起こす不具合を、その対策ソフトウェアが引き起こしてしまったというのは皮肉な話だ。

これほどまでに広範囲に影響が及んだのは、クラウドストライクがこの分野で最も人気の高いソフトウェアだったからでもある。IT専門の調査会社IDCが2023年2月に発表したレポートによれば、コンピューターシステム端末用セキュリティ対策ソフトウェアの市場シェアは、クラウドストライクが17.7%を占めている。これは、マイクロソフトが自社で提供するソリューションの16.4%を抑える、首位の成績だ。

すでに問題を修正しシステムを再び正常に戻す方法は公開されており、今後この問題は終息に向かうはずだ。また、クラウドストライクは問題に遭遇した顧客に対し、システムを修復するための対策ガイダンスなどを提供する情報ハブとなるページを新たに作成、同社ウェブサイト上に公開した。

マイクロソフトは、約850万台のWindowsコンピューターがクラウドストライクの障害により影響を受けたと発表した。この数字は全世界で稼働するWindowsコンピューターの約1%未満だとされている。マイクロソフトのエンタープライズおよびOSセキュリティ担当副社長デビッド・ウェストン氏は「(影響を受けたデバイスの)割合こそ小さいものの、多くの重要なサービスを運営する企業がクラウドストライクを使用していることが、広範囲にわたる経済的、社会的影響を反映した」と述べた。

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