50代の「うつよけ」メンタル不安定期の乗り越え方 人生後半への入り口でまさに「老いの思春期」
東洋経済オンライン / 2024年7月23日 16時0分
厚生労働省の調査によれば、うつ病の患者がもっとも多い年代は男性が50代、女性が40代。年をとるにつれて、誰もが体力や基礎代謝の低下を感じるものですが、実はメンタル面の不調が出てくる人も少なくないのです。人生100年時代と言われる今、50代以降に見られる変化、そして毎日をどう過ごせば良いのか。和田秀樹さんの著書『50代うつよけレッスン』より一部を抜粋し、お届けします。
50代は変革期
「50代になったら、めっきり体力が衰えてきたよ」
「このところ、いろんなことが億劫になってしまって……」
40代後半から50代にかけては、こんな嘆きの声があちこちから聞こえてきます。先日もこの年代の男性から「最近よく眠れない」「憂うつ感が続く」と相談を受けました。
実は40代から50代にかけて、人の体は大きく変化していきます。
40代からは前頭葉が萎縮し始める、セロトニンなどの脳内伝達物質が減少するなど、脳の老化現象も始まります。
また、男性はテストステロン(男性ホルモン)が、女性はエストロゲン(女性ホルモン)が減少していき、どちらも中性化していきます。それにともなって疲労感や倦怠感、抑うつ症状、のぼせ、冷え、多汗、動悸などのいわゆる「更年期障害」が生じる人もいます。
更年期障害は女性特有のものと思われがちですが、そんなことはありません。
女性ホルモンが50歳前後から急激に減少するのに比べて、男性ホルモンは20代から生涯にわたってゆるやかに減少していくため、体力や気力の衰えを感じていても、更年期障害という自覚を持つ中高年男性は少ないかもしれません。
ただ疲れているだけ、あるいはストレスや年齢のせいだと思い込み、忙しさにかまけてそのままにしている人も多いようです。
でも、「寝ても疲れが取れない」「朝起きられない」「食欲がない」「仕事へのモチベーションがなくなり、出社するのが辛い」などという症状を頻繁に感じるようになったら、やはり注意が必要です。
更年期障害や「うつ病」の可能性もありますから、そのまま放っておくと、うつ症状が悪化してしまうこともあります。
出世の限界が見えて無気力になる人も
体の変化だけでなく、環境も大きく変化していくのが50代です。
会社勤めをしている人なら管理職に就いていたり部下を抱えていたりする人も多く、責任の重さからストレスが溜まりやすい年代です。
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