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「倍速再生で勉強する人」が知らない"落とし穴" YouTube動画でインプットすべき科学的理由

東洋経済オンライン / 2024年7月23日 16時30分

残念ながら必ずしもそうとは言えません。インプットでもう1つ鍵となるものがあります。それは、スピードです。

これまでの研究で、平均的な「読むインプット」の速さは、 「聞くインプット」の速さよりも2倍速いことが明らかになってきています。これは通常、私たちが話す速さが、読む速さに比べて著しく制限されているからです。

例えば、本を通常の速さで1ページ朗読する間に、黙読であれば2ページ読み進めることが可能だということになります。

いかに「読むインプット」がスピードの点で優っているのかがわかります。それだけに、「読むインプット」をマスターすることが、効果的なインプットにおいてはとても重要なのです。

しかし、だからといって「聞くインプット」が「読むインプット」より、必ず遅くなってしまうわけではありません。特に今は、スマートフォンやコンピューターで早送りして「聞く」スピードを調整することができるからです。

では、インプットの質を下げずに音声をスピードアップする場合、通常どれくらいまでスピードを上げてもいいのか? 

インプットする内容の難易度や個人差にもよりますが、これまでの研究を総合してみると、およそ1.8倍速ぐらいまでが限界ではないかというところです。

特に勉強などで、新しい内容をインプットするような場合には、1.5倍速ほどでも理解度が下がってしまいます。 

その一方で、1.4倍速ほどまでであれば、理解度を下げることなく聞くことができ、さらに、通常の速さで聞くよりも心地良く聞くことができるようです。

理解が進んでいるのに通常の速さだと、その遅さにストレスがかかってしまうこともあり、適度な速さにすることで、そうしたストレスも避けることができます。

デジタル環境で理解度を下げずに「聞くインプット」をするためには、1.5倍以上の速度は避けるようにした方が賢明です。

YouTube動画でインプットすべき科学的理由

もう1つデジタルのインプットに欠かせないのが、マルチメディアの環境です。

インプットしようとする事柄について、文字だけでなく、ナレーションつきのイラストやアニメーションで分かりやすく解説されているものは数多くあります。

今やYouTube動画は、エンタメのためだけなく、学習やインプットのツールとしても老若男女に幅広く使われています。

この「聞く」と「見る」を総合したマルチメディアのインプットは、「聞く」だけのインプットよりも効果が高いことが科学的にも確認されてきています。

「ワーキングメモリー」の容量をうまく使う

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