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1961年式レトロで可愛すぎるキャンパーの正体 元祖ポップアップルーフともいえる歴史的1台

東洋経済オンライン / 2024年7月24日 7時4分

今回展示されたベッドフォード・CA ドーモビルの場合、もともと車体後方にはキッチンなども備わっていたという。だが、現在それらは取りはずしているため、荷室はかなり広く、ベッドマットを置くことも可能。ポップアップルーフの就寝スペースも合わせれば、大人3~4名は横になれそうだ。車体もポップアップルーフを収納すれば、純正よりも全高こそ高くなるが、全体的にあまり大柄にならない。こうした点から、このモデルは、まさに今のポップアップルーフ付き車中泊仕様車を先取りしたような印象さえある。

それにしても、前述のとおり、約60年前の車両でも、ポップアップルーフを装備しており、使い勝手も今とあまり変わらないことは注目だ。日本では、おそらく1995年に登場したマツダ「ボンゴフレンディ」に装備されたことで、一般に広まったのではないだろうか。だが、ベッドフォード・CA ドーモビルは、ボンゴフレンディよりもさらに30年以上前に作られている。

これについて、少し調べてみたが、1960年代初頭には、フォルクスワーゲンやメルセデス・ベンツをベースとしたキャンピングカーなどに、ポップアップルーフを架装したモデルは存在していたようだ。例えば、ポップアップルーフで有名なドイツのウエストファリア(Westfalia)というコーチビルダーなどが、そうしたモデルを製作した実績を持つ。この点から、つまり、ポップアップルーフは、少なくとも半世紀の歴史を持つ装備といえるのだ。

そう考えると、1961年式のベッドフォード・CA ドーモビルに、ポップアップルーフが装備されていたとしても不思議はない。意外にも歴史があり、近年のキャンピングカーにも脈々と受け継がれている装備のひとつが、ポップアップルーフなのだ。

価格・まとめ

なお、今回展示されたベッドフォード・CA ドーモビルの価格(税込み)は、898万円。かなりレアなモデルだし、内外装も十分にきれいだ。エンジンやミッションなども換装され、走行性能もアップしているし、ポップアップルーフなど車中泊を楽しむための実用装備も確保されている。これらを考えれば、ある程度の価格になるのは当然といったところだろう。しかも、レトロでどこか愛嬌のある雰囲気などは、最新のモデルにはない味わいもある。こんなクルマなら、ハリウッドの古いロードムービーのような、のんびりとしたクルマ旅を満喫できそうだ。

ちなみに、販売を手がけるClassic Camper Japan by RANGERSでは、以前からベッドフォード・CA ドーモビルを複数台扱っており、別の車両では、キッチンカーとして購入したユーザーもいたという。このモデルが持つおしゃれでポップなたたずまいは、確かに街中でも目を惹くだろうから、そうした用途にも合いそうだ。

ともあれ、ポップアップルーフという現在の人気装備が、じつは歴史あるもので、時代とともに進化してきたことを実感させてくれたのがベッドフォード・CA ドーモビル。日本では珍しく、あまり知られてもいないが、そういった意味では、十分に名車といえる1台ではないだろうか。

平塚 直樹:ライター&エディター

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