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新幹線開業で変転、JR九州の特急「783系」の足跡 現在も「みどり・ハウステンボス」として活躍

東洋経済オンライン / 2024年7月24日 7時3分

西九州新幹線開業の陰で活躍の場狭まる

2017年3月改正時点での編成の内訳は、「みどり」用4両編成×5本、「ハウステンボス」用4両編成×5本、日豊本線南九州用5両編成×6本、通勤特急用4両編成×4本である。しかしながら、地方の輸送量が減る中、大分以南の日豊本線特急はワンマン化され、所要の改造を施した787系4両編成を充当、翌2018年3月改正で4両編成特急の全列車がワンマンとなる。

783系の2017年のトピックには、朝の通勤特急における長洲発「有明」と佐賀発「かもめ」の鳥栖―吉塚間併結運転もある。だがそれも「有明」の需要が奮わなかったための列車の統合という背景があり、2018年改正で「有明」は消えた。

コロナ禍を受けてJR九州も輸送のスリム化を急ぎ、2021年3月改正で「にちりんシーガイア」を含む南九州の特急は787系に統一され、783系は日豊本線から退いた。「きらめき」も見直して783系列車が減ったため、ブロックパターン塗装のグループは定期運用がなくなった。

これで廃車が本格的、2021年5~6月でCM1編成5両、続いて予備のモハ2両が7~8月、同年度内2022年2月にさらにモハ1両、2022年度にCM34編成5両が落ちた。

2022年9月23日、西九州新幹線が開業した。在来線特急の「かもめ」は接続特急の「リレーかもめ」へと変化し、接続列車の一端を担う一部の「みどり」「ハウステンボス」はそれぞれ「みどり(リレーかもめ)」「ハウステンボス(リレーかもめ)」のややこしい列車名となった。その上で「リレーかもめ」にスライドした885系と787系は運行距離の短縮で運用に余裕が生じ、これが783系の「みどり」「ハウステンボス」の受け持ちにも変化を与えた。両列車の併結列車は16往復から14往復に、「みどり」単独運転の列車は783系8両が4往復、4両が1往復、それに787系列車2往復だったものが、改正後は783系8両の列車4往復と初導入の885系列車5往復になった。つまり783系以外の形式を使う列車が3往復増え、783系列車は3往復減った。

数を減らしても当面の役割は消えず

博多―肥前鹿島間に新設された「かささぎ」(佐賀発着の「かもめ」も統合)の片道1本にも充当されているが、それでも783系の分担は減った。これにより廃車が進んだ。

ダイヤ改正の後、CM4編成5両に加え「みどり」用CM15編成4両が2021年8月の水害で佐世保線内で水没したため廃車になり、2023年度はCM5編成の5両が消えた。

2024年4月首時点の現状は、「みどり」用4両編成×4本、「ハウステンボス」用4両編成×5本と、ブロックパターン塗装の4両編成×4本で合計52両となっている。なお、「きらめき」や「かささぎ」は「みどり・ハウステンボス」用車の運用に組み込まれている。一方、水害で1編成を失った「みどり」には、ブロックパターン塗装の汎用編成ながらクロハを貫通型に改造した異色のCM35編成のほか、同じく汎用の編成で貫通化改造もしていないCM2編成も常用されているとのことである。

783系はこうして数を減らしているが、西九州新幹線の新鳥栖―武雄温泉間問題があるため、ある程度の道筋がつくまでは当面、貴重なJR第一世代の車両として活躍を続けてゆくと考えられる。

鉄道ジャーナル編集部

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