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教員等の「性犯罪確認する法律」で被害は防げるか どうやって確認するか?残された課題もある

東洋経済オンライン / 2024年7月24日 13時30分

先の記者会見に同席した学習塾「花まる学習会」代表の高濱正伸さんは自身の経験を踏まえ、「過去に子どもの前で下半身を露出した講師がいた。本人が認めたので辞めてもらったが、後日、地方を変えて学校の先生をやり続けていると聞いた。そんなことが許されていいのか」と、憤りをあらわにした。

子どもへの性犯罪データは氷山の一角

ところで、どれくらい日本では子どもへの性犯罪が起こっているのだろうか。警察庁のデータによると、12歳以下の子どもに対する性犯罪は、年間1000件ほどとされる。

さらに別の調査によると、令和4年度に公立の幼稚園、小中学校で性犯罪・性暴力などにより懲戒処分などを受けた教職員の数は、242人。調査が違うので単純に割合を示すことはできないが、子どもへの性犯罪の何割かは、保育や教育現場で起こっていることは確かだ。

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しかも、「これは氷山の一角でしかない」と赤坂さんは言う。

「なぜなら、子どものなかには自分が性被害に遭ったことを、すぐに認識できない子もたくさんいます。また、被害に遭ったことを親が警察に相談するのはハードルが高く、実際、多くのケースはそこまで至らないという事実もあります」

今回、成立した日本版DBSでは、どのようなしくみで性犯罪の犯歴をチェックするのか見ていきたい。

まず、事業者(保育園や学校、学童保育、学習塾など)は、これから仕事に就く者に性犯罪の前科があるかどうかを確認するため、こども家庭庁に申請する。併せて就業予定者も、自身の戸籍の情報などをこども家庭庁に提出する。

それを受けて、こども家庭庁は犯歴の有無を法務省に照会する。犯歴がなければ、そのまま通知があり、就業予定者は仕事に就くことができる。

一方、犯歴が確認された場合は、まずその情報は就業予定者に通知され、誤った情報であれば異議申し立てによって訂正請求ができるようになっている。また、内定を辞退すれば、申請は却下される。

就業予定者が異議申し立てをしない場合は、「犯歴あり」として犯罪事実確認書が事業者に交付される。事業者は就業予定者の採用を拒否することができる(下の図)。

現在のところ、申請義務がある事業者は学校、保育園、幼稚園、児童養護施設など。学童保育や学習塾、スポーツクラブなどは認定を受けることで、申請義務が生じる。

また、この法案ではこれからこうした仕事に従事する予定の人だけでなく、現在、従事している現職者に対しても実施することとなっている。

再犯予防や、性加害の心当たりある人を遠ざける

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