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四季報を配ると、なぜ日本のGDPが上がるのか 若手ベンチャーキャピタリストの確信とは?

東洋経済オンライン / 2024年7月24日 8時0分

これはまずいことだと思いました。VCが上場企業についての知識を持っていなければ、起業家とミーティングするときに時間を割いて良かったと思っていただけるような良い情報を伝えることができない。最近の生きた情報をキャッチアップしていなければ、良い情報どころか間違ったことを言ってしまうかもしれない。こうなると起業家にはマイナスですし、VCにとっても投資先の成長につながらず、投資リターンが出づらくなって良くない。ひいては日本経済にとっても良くないことじゃないですか。

これは改善すべきことだと思いました。じゃあとりあえず四季報を配ってみれば、配らなかった場合と比較すれば少なくとも1円でもGDPが伸びるだろうと思うようになりました。

新しい事業を生み出す参考に

聞きかじったアイデアで起業するより、確立されたビジネスの宝庫である四季報を読み込んでアイデアのタネを探したり、時代にマッチしたアイデアに昇華させたほうが成功する確率は高いと思います。そうして生まれた新しい事業のいずれかが成功を収めて、日本のGDPを引き上げることにつながる。これは何も起業家に限らず、会社に勤めていらっしゃる方々にも当てはまることです。

孫正義さんをはじめとした稀代の起業家たちは、多くの場合、徹底的なリサーチを経てから事業を立ち上げています。孫さんに至っては、1981年に日本ソフトバンク(現在のソフトバンク・グループ)を起業する前に、どのような事業を行うのかのリサーチに1年ほど費やしたというエピソードがあるほどです。

ーーなぜ配るのでしょうか。

税込み2600円もするので、学生からすると正直、四季報はちょっと高い。社会人である僕からしても安くはないので、学生や新卒まもない社会人はよっぽど興味がなければ買おうとは思わないでしょう。そこで、知り合いの学生起業家や後輩のベンチャーキャピタリストなどに、少しずつ四季報を配り始めました。

先輩からプレゼントされてそのまま放置するわけにもいかなかったのか、「おかげで上場企業について詳しくなってきました」といった声もいただくようになったので、もっと大々的にやったほうがいいなって思うようになり、自分の財布だけでは少々しんどいので、日本経済のために先輩方のご支援をいただこうと考えました。

VCでパートナーを務めておられる先輩や、起業家の先輩の方々に、私が意欲ある若者たちを見つけてくるので『会社四季報』を3冊ぐらい買っていただけないでしょうか?とお願いをして私に届けてもらいました。言ってみれば、四季報の現物出資ファンドのGPみたいな役割をしていました(笑)。

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