「高血圧の薬」高齢者ほど飲むのをやめていい理由 「飲みきれない量の薬」服用する人に伝えたい解決法
東洋経済オンライン / 2024年7月25日 20時0分
脳神経内科が専門の医学博士で、老人医療・認知症問題にも取り組む米山公啓氏による連載「健康寿命を延ばす『無理しない思考法』」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボによりお届けする。
薬が多くて困っている
長く通院していると、次第に薬が増えていきます。
高血圧の薬、糖尿病の薬、高脂血症の薬、骨粗しょう症の薬、逆流性食道炎の薬など、ある程度の年齢になれば、少ない人でも4、5種類の薬は飲んでいるのではないでしょうか。
朝だけで1回10錠飲んでいるという人もいます。とはいえ、どうしてこんなに薬が増えてしまうのでしょうか。
患者さんから「~がつらい」「~が痛い」といった訴えがあり、しっかり診療したものの、医師としては「心配いらないからそのままでいい」と言いたくなるような場合は、じつは少なくありません。
ですが、つらさや痛みをそのまま放置することを、患者さんに納得させるには時間がかかります。
患者さんとしても、実際につらさや痛みを感じているのですから、医師が「放置して大丈夫」と言っても、すぐに納得できないでしょう。
結果として、患者さんを安心させるためにも、診察時間を短くするためにも、訴えの多い人にはすぐに薬を出して対処してしまう、ということがあるのです。
また、それだけではありません。一度出してしまった薬はなかなか減らすことをできないのです。
こうして、あいまいな理由から出された薬が、ずっと出され続けてしまうということになります。
それに加えて、たくさんの患者さんを診ている医師の場合、いま診ている患者さんが1回にどれだけ薬を飲んでいるのかしっかり認識せずに、さらに薬を処方してしまうという場合もあります。
いずれにしても、このようにして、患者さんの安心のため、医師の診療時間節約のために、薬の量が増えていってしまうケースも少なくないのです。
「薬を減らしてほしい」と言ってみる
では、どうすれば本当に必要な薬だけを残して、飲まなくても問題ない薬を減らすことができるのでしょうか。
それは、長くかかっていて、主治医となんでも言える関係になっているなら、その主治医に「薬がずいぶん多くなって飲むのが大変です」と素直に言ってみることです。
たとえば、内科、整形外科、皮膚科など科をまたいでさまざまな診療所にかかっている場合、あなたの主治医といえど、実際にあなたがどれだけ薬を飲んでいるのか知らないことも多いのです。
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