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元109店員で週刊誌記者が実践する距離の詰め方 聞いてないのに相手が話す"ずるい"テクニック

東洋経済オンライン / 2024年7月25日 15時0分

こちらとしては願ったり叶ったりで、

「世間が騒ぎすぎて、さすがにもう話したくないのではと思ったので遠慮していました」

と話したら、

「そう言われると、話したくなるなぁ」

と結局ご本人から不祥事の裏事情を語ってくれました。

一番聞きたいことをあえて聞かずにいると、逆に気にして本人から話してもらえることもあるのです。

取材をしていてちょっと空気が重くなってきたな、口数が減ってきたな、と思ったらすかさず投げかける質問。それがポジティブ予想クエスチョン、略して「ポジクエ」です。

「ポジティブ予想」とは、当てにいくわけではなく、ポジティブな印象を抱いていることを伝えるのが目的です。

おしゃれな人やセンスが光る方に「もしかして、ファッション関係のお仕事をされているのでは?」とか、スタイルの良い方、筋骨隆々な方に「何かスポーツをされているのではありませんか?」とか、声が素敵な方に「声優をされていたことがありませんか?」とか。

「おしゃれ!」「スタイル良い!」「声が素敵」などストレートに褒めることに抵抗を持つ方、恥ずかしい方にも使いやすく、単に褒めるよりも、そう思う背景を伝えられるので、真実味も増します。

「好き」という気持ちを込めると、思いは伝わる

ある男性アイドルが所属事務所を退所して独立したとき、その背景を知るために直撃取材したことがあります。単に辞めた理由を聞いても適当に流されるのがオチなので、SNSで趣味や活動内容を調べて、あたりをつけてから取材することにしました。

その俳優さんは多趣味で人生を謳歌しているように見えたので、誰か目指している人がいるんじゃないか?とポジティブ予想の質問をしたのです。

「SNSを拝見していると、趣味をすごく楽しんでいらっしゃいます。誰か参考にされている方はいらっしゃるんですか? 所ジョージさんを目指しているのではという話もありますが」

「ふふふ、そういうのはないですね」

そのあと、趣味の話を掘り下げて気分を盛り上げてから、また話を戻し、

「今後の活動が楽しみなので、独立された理由がどうしても知りたくて……」

とファン代表になりきって聞いたところ、ついに事務所を辞めた真意を聞き出すことができました。

この「ファン代表になりきる」というのも大事です。相手を「好き」という気持ちや「知りたい」という気持ちを込めると、相手に思いは伝わります。すると、「こんなに思ってくれている人のことを無下にはできない……」と相手も感じてくれる気がしています。

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