1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

ゼネコン、「嫌われる就職先」が一変し今や狙い目 匿名座談会「現場で働くリアル」を本音トーク

東洋経済オンライン / 2024年7月25日 8時20分

――建設現場では本当に労働環境が改善されているのでしょうか。

Bさん 2024年問題対策(2024年4月から建設業に時間外労働規制が適用開始された)や人手不足を解消する狙いもあり、この10年で就労時間や待遇面などの労働環境が一気に改善している。

Aさん 私が入社したときは、現場に女性トイレがあるのが当たり前だった。数年前までは、業界団体が「女性トイレ普及比率が何%になった」などと発表していて、「女性トイレのない現場もあるんだ」と、びっくりした記憶がある。いまは清潔感のある女性トイレが整備されている。

――しかし、離職する若い就労者も多い業界です。みなさんは学生に業界への就業を勧めますか。

Cさん 客観的に見て、今のゼネコンは就職先として狙い目ではないだろうか。給料が上がっていて、働きやすくなっている。

実は、就活中の息子に「ゼネコンはどうだ」と勧めている。ただ、息子は転勤がある職種であることに難色を示している。最近の若い人は、転勤を避けたいと考える人が増えている。

Bさん かつては(優秀な学生かどうかを)吟味して選別していたが、今は新卒学生の争奪戦が激しくて、会社側にそこまで選択するほどの余裕がない。いわゆる供給者側が優位な状況。給料も上がっているし、学生にとって就職先として考えるのはいいかもしれない。

エリア総合職(給料は若干減るが転勤しなくてもよい働き方)を制度として設けているゼネコンもある。転勤が嫌な場合はそういった会社を選べばいい。

Aさん 確かに私の同期では、「転勤が嫌だ」と言って辞めていった人が実際にいる。会社に残っている人の意見で多いのは、「ボーナスがいいから」という理由。「転職するならば建設業の別の会社に行きたい」と、建設業自体に魅力を持ち続けている人もいる。

建設業に魅力を感じる瞬間

――3人の中でいちばん若手のAさんはどのような動機でゼネコン業界に就職したのですか。

Aさん そもそものきっかけは、学生時代に住宅のビフォー・アフターのテレビ番組を見たこと。あまり深く考えずに、建築ってカッコいいなと思った。

それで大学に進学する際、看護師とか栄養士などの道を進む選択もあったけれど、「やっぱり建築は楽しそうだ」と、フワっとした感覚で選んだ。最初はデザイナーに憧れたが、大学で学んでいくうちに建設技術者を目指すようになった。

――実際に働くとどういうところに魅力を感じるのでしょう?

Cさん 建設技術者は、「建物が完成したときがもっとも嬉しい」とよく言うよね。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください